トリニダード　砂糖労働者大量解雇を脅かされる

24-Mar-2003





国営企業であるカロニ（１９７５）有限会社はカリブ海諸島のトリニダードにある唯一のさとうきび加工会社である。IUF加盟の全トリニダード砂糖一般労働者労働組合（ATSGWU）は、8000名以上ののカロニ従業員を代表しており、そのほとんどは農業労働者である。組合は同国の砂糖産業及び企業の民主的な構造改革の闘いの真っ只中にいる。

政府はカロニのリストラをいわゆる“強化された”任意辞職制度(VSEP)という組合と交渉されたものではない制度によって雇用を終了させようとした。2月17日、カロニは全従業員9200名に従業員が受給資格を持つ解雇手当と同額の任意辞職制度を提案する手紙を送った。政府の役員は報道機関に労働者が任意辞職制度を受けない場合は、余剰人員整理がされると語った。

雇用終了という痛手を負わされる動きの中で、砂糖産業の重要な地位にも関わらず、政府は労働者と組合をカロニのリストラ過程から締め出した。企業年金給付金の見なおしのために雇われた会社はカロニの従業員に関するデーターの正確さと完全さに関して“深刻な懸念”を表明している。カロニは労働者の年金給付に関して何の声明も発表していない。労働者は不十分な信頼のできない情報を基にして仕事を止めろとプレッシャーをかけられている。

政府は、強化された任意辞職制度への反応が“好ましければ”、カロニは新条件で従業員を再雇用することになると発表している。これはトリニダードの労使関係の慣行に反したものである。

砂糖産業が同国にとって非常に重要な産業にもかかわらず、政府は労働者の雇用を融通性のないやり方で終了させようとしている。これは新カロニの具体的計画の情報不足や将来のビジネス計画の実現性、健全性とはっきり対比するものである。

ATSGWUは以下のようにリストラのプロセスを政府に再考させるために国際連帯と支援を要請した。

・ カロニ（１９７５）有限会社のリストラの交渉と段階的な導入
・ 組合参加を持って、適正な再訓練と支援プログラムを企画することで移行期にある労働者を援助するための有効なメカニズムを設置する
・ カロニ労働者と組合に新カロニのビジネス計画を通知し、話し合いを行う。
・ 組合および関係者は関連政府省に適正なメッセージを送っていただきたい。以下がメッセージの例である。

宛先
トリニダードトバゴ共和国首相
パトリック・マニング氏
首相官邸
Whitehall
Maraval Road
Port of Spain
Fax: (+868) 622-0055
E-mail: [email protected]

公共管理情報相
レニー・セイス氏
45 St. Vincent Street
Port of Spain
Fax: (868) 623-6027


拝啓

国際食品労連（IUF）から国営の砂糖会社、カロニ(1975)有限会社の多くの従業員が昨年の2月17日に提案された“強化された”任意辞職制度を通じて雇用終了に直面していると聞きました。この従業員のうち8000名は全トリニダード砂糖一般労組によって代表されています。

カロニ(1975)有限会社のリストラの重要な要素である任意辞職制度は組合の参加なしに作られ、リストラを社会秩序の崩壊を最少にし、その成功を保証する意味のある対話を基礎としたものではなく対立的な過程にしているのは非常に遺憾であります。

全トリニダードが既に言っているように、本産業を砂糖経済のグローバル化に適応させ、より良い国内資源有効活用のためにリストラが必要であることは、我々も承知しています。しかしトリニダードの砂糖産業の将来は産業を形成する全ての利害関係者の全面的かつ民主的な参加に依存するものです。

貴国政府に対し、カロニのリストラ過程を以下のように再考するように要請するものです。

・ 産業の全利害関係者、特に全トリニダード砂糖一般労組と段階的実施の時間的枠組みを含む実際的なリストラの過程を交渉する。
・ 組合の参加で移行期の労働者を援助する有効なメカニズムを設置する。
・ 新カロニのビジネス計画を組合、労働者、全利害関係者に通知し、話しあう。

この件に関する発展を緊密に見守り、トリニダードの砂糖労働者および彼らの組合に連帯を表明します。

敬具

貴殿のメッセージの写しをIUF及び以下のトリニダードの組合にお送り下さい。

Rudranath Indarsingh
President General
All Trinidad Sugar and General Workers Trade Union
Fax: (+868) 636-3372
E-mail: [email protected]

より詳細なトリニダードの砂糖産業の状況についてはIUFホームページ英語版の2003年2月砂糖労働者の記事を参照してください。