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2003年度第3回運営委員会議事録(2002/12/9)

13-Dec-2002





2003年度第3回運営委員会報告
味の素労組会議室で行われた標記委員会の報告を下記のとおりいたします。
(日 時)2002年12月9日(火) 15:00−17:15
(出席者)増渕、藤江、長島(フード連合)、菅井(UIゼンセン同盟)、岡田、内田、大谷
(全国農団労)、秋山(サービス連合)、見里(JCC事務局)計9名 (敬称略)

<会議の冒頭、2003年度役員の選出を行った。>
 11月21日および12月9日の両日に開催されたIUF-JCC人事検討委員会を踏まえて、増渕人事権党委員長より以下の通り2003年度JCC役員体制の答申があり、運営委員会にて承認された。
三役
 議長 増渕進 フード連合副会長/全たばこ労組委員長
 副議長 菅井義夫 UIゼンセン同盟副会長
藤江太郎 フード連合会長代行/味の素労組委員長
岡田新一郎 全国農団労委員長
秋山邦男 サービス連合副会長/ホテル部会長/帝国ホテル労組委員長
 事務局長 見里朝士 専従(フード連合)

運営委員
 正運営委員 小倉保彦 フード連合事務局次長
郷野晶子 UIゼンセン同盟常任中執/国際部長
内田勝 全国農団労書記長
松宮郷 サービス連合副会長/全日空ホテルズ労連委員長
 副運営委員 長島宏行 フード連合中執/組織中小局長(国際担当)
大出日出男 UIゼンセン同盟常任中執/フードサービス部会書記長
小川宏 全国農団労書記次長
林田一郎 サービス連合副事務局長
 特別運営委員 中野英恵 UIゼンセン同盟国際局副部長

会計監査 池田晴夫 UIゼンセン同盟副書記長
小川清尚 サービス連合ホテル部会幹事/第一ホテル労組


報告事項
1. 連合多国籍企業委員会2国間セミナー報告
 2002年11月11〜15日、マニラにて連合多国籍企業委員会2国間セミナーが開催された。受け入れ組織はフィリピン労働組合会議(TUCP)で、TUCP側の参加者は主に金属関連労組の準管理職(スーパーバイザー)組合のメンバーであった。プログラムは12・13日の2日間の合同セミナーと、13日の在フィリピン日本大使館及び日本商工会議所労務委員会メンバーとの意見交換で構成されていた。セミナーの主なポイントは以下の通り。
l フィリピンの組合は通常、一般従業員(ランク・アンド・ファイル)組合と準管理職(スーパーバイザー)組合とに分かれている。多くの日系企業では一般従業員組合との関係でトラブルを抱えているが、今回の参加組合は主に準管理職の組合が中心であり、このため討議における両国間のギャップは少なく感じたが、本来ターゲットとすべき一般従業員組合の参加がほとんどなかったことは残念であった。
l フィリピン労働雇用省のプレゼンテーションを総括すると、日系企業の労働条件も労使関係も他国の多国籍企業や地元の企業と比べ良くも悪くも無いとのことであった。一方で、日系企業のトップは、比較的良い労働条件を出しているにも拘らずKMU(5月1日運動)などの急進的組合の標的にされていると語っており、両者に認識のずれがあるように感じた。
l フィリピンの組合から提起された日系企業の労使関係における問題点は、属人的な問題が大きく取り上げられており、必ずしも一般的な状況ではないようであったが、逆に海外の進出企業では文化などの違いもあり、極少数の日本人管理者の悪い労使慣行が日系企業全体の問題として捉えられる危険があることを象徴している良い例として捉えることが出来る。
l 日本商工会議所との意見交換では、フィリピンは最も労使関係が難しい国であると断言され、企業側の組合に対する不信感は拭い難いものとなっていることを感じた。特に顧問となっているコンサルタントの方のフィリピン人やフィリピンの労働組合に対する見方は非常に厳しく、現場でのご苦労を察すると同時に、組合バスティングなどの不当労働行為も一部では行われているであろうことを感じさせた。

 以上の事務局からの報告の後、今回の日本側代表団の団長となった菅井副議長より、2国間セミナーに関するコメントがあった。コメントは、弁護士が多いフィリピンの組合リーダが私利私欲のために争議を利用して混乱が長引くケースが多いこと、1970年代の戒厳令当時から地道な発展をしている一方でホームレスが多く、貧富の差が広がっている様に感じたとの印象などである。

2. JCC三役合宿報告
 フード連合の結成大会に出席するため来日したロン・オズワルド書記長、マ・ウェイ・ピン地域書記を迎えて、IUF-JCCの三役合宿を11月20-21日箱根湯本で実施した。テーマは、@IUFの企業に対する活動について、AIUF土地と自由プロジェクトに関して、BA/Pにおける組織化戦略に関して(インドネシア問題含む)、C中国問題に関して、DA/PにおけるHRCT部門でのITFおよびUNIとの協力体制構築に関して、の5点を取り上げて論議した。充分な論議時間があったとはいえなかったが、日頃IUFおよびIUF-A/Pの活動に対する疑問や不満を、多少なりとも解消することが出来たのではないかと評価する。主ら論議ポイントは以下の通り。
@ 企業に対する活動は予防的な対応として「国際協定」締結を戦略としている。日本企業とも今後関係を構築していきたい。JTや味の素などが当面の対象となるが、増渕議長、藤江副議長から前向きに取り組む決意が述べられた。
A 土地と自由プロジェクトは、財政的問題から来年春にグローバル・コーディネーターのポストを廃止し、各地域毎の活動強化に焦点を当てていく。
B A/P地域の組織化に対しJCCとして、1)各産別レベルの交流の強化、2)各企業別のグループ同士の関係構築、3)地域書記との連携を強化した上でのJCC事務局長の活動の拡大、の3点を提起した。
C インドネシア・ミッションは4月末実施の方向で、地域書記が検討中。
D 来年4月の執行委員会で、中国などの国家体制の一部となっている組合との関係を論議することになっているが、事前の加盟組織による関係の実態調査をすべきと提言した。
E A/P地域のHRCT部門におけるITFとUNIとの協力体制構築に関しては、UNIとはあまり意味がないという回答があり、ITFも航空機の客室乗務員組合を含めるならば良いが、全体的に書記長も地域書記も肯定的ではなかった。

尚、インドネシア・ミッションに関しては、三役合宿を踏まえて三役会で再度論議し、4月21日の週に実施するよう、マ・ウェイ・ピン地域書記に要請することを確認した。(12月11日要請済)

3. 日本語版IUFホームページ
 日本語版ホームページが10月末に立ち上がり、現在少しずつ内容の充実を行っている。IUFホームページ<http://www.iuf.org.uk/en/>にアクセスし、画面左上にある言語の選択で日本語を選択すると、日本語版のページにつながる。また、直接<http://www.iuf.org.uk/ja/>にアクセスすることも出来る。
 ページは、緊急行動要請、ニュース、ビューポイント/論説、の3つで構成されている。また、左下方にあるJCC情報には、JCCニュースなどのJCC発信情報を掲載していく。また、加盟組織限定のページには、同じく左側の欄にある“Members Only Site”にアクセスし、ユーザーネームに「iuf」、パスワードに「CH1213」を入力すると、JCC運営委員会の議事録が掲載されている。有効にホームページを活用していただきたい。

4. 各組織報告
フード連合:2002年11月19日結成された。レセプションにご出席いただき御礼申し上げる。
UIゼンセン同盟:<春闘>;賃上げ方針を検討中。中執としての原案は、賃金体系維持原資分を確保して+αを要求する。全組合が+α要求を行うものとして、2月中に要求を提出する。産別自決的色彩が濃くなると予想している。
<政治・選挙>;組織内議員として、地方議員が約200名程度いる。統一地方選に向けた準備を開始。
<社会貢献>;北朝鮮の拉致被害者を救う会への対応として、200万円カンパを実施した。
サービス連合:<秋闘>;年末一時金は、ほとんどの組合で年間協定であるが、一部の組合では秋闘での対応となった。ほぼ11月末までに解決したが、一部前年割れあり。労働協約交渉に関しては、育児介護法改正の協定盛り込みを進めている。
<春闘>;昨年同様、年収維持(同一年齢前年水準確保)を今年も要求する。企業内最賃、産業内最賃の取り組みも検討する。1月28日に決定し、2月中に要求書提出予定。
全国農団労:<春闘>;12月12日執行委員会で春闘方向決定。ベースアップ要求をここ数年取り下げて、代わりに組織改革要求を出している。ベースアップよりも組織固めの徹底を重視している。中には雇用確保が最大課題の組合も。
<農政対応>;今まで政府補助金付けから、独自の農政への取り組みに向けた組織作りに取り組む。減反対応、2008年農協による調整で合意されているので、これに取り組む。

5. 今後の予定
l A/P-HRCT会議:2002年12月16〜18日、バリ
l 国際人権デー:12月10日
l JCC三役会・第4回運営委員会:2003年2月3日、味の素労働組合会議室
6. その他
l オランダのIUF加盟組織FNV-Bondgenotenで財政問題から組織のリストラが行われ、IUF会長のポール・アンデラ国際局長が常任の役職を解かれた。現在は非常勤のコンサルタント的な位置づけでIUF担当となっている。来年5月のJCC海外労働学校の受け入れは支障が無いとのことで、予定通りオランダで海外学校を開催する。
l 5月に開催された、IUF世界総会報告書の冊子を作成した。640ページ弱と、5年前の前回総会報告書より約300ページ多く、資料の翻訳が充実させることが出来た。近日中に、各組織に送付する。
l JCC職員の緒方美音子が12月末で退職する。現在、新職員採用の手続きを行っている。


協議事項
1. JCC企画活動の検討経過に関して
 第1回、第2回運営委員会の論議を受けて、12月4日JCC企画活動の検討チームで各企画のコンセプトや実施する上での基本的考え方を討議し、以下の通り取りまとめて本運営委員会へ答申した。運営委員会では、勉強会に関する論議をした後、本答申案を承認した。
l 海外労働学校:継続実施する。2003年度は既に手配を進めているオランダでの開催とする。本企画は若手・中堅組合役員を対象とし、国際労働運動に触れてもらうこととネットワークづくりを目的としているため、特定のテーマを設定してから開催国を選定するのではなく、30名規模のチームの受け入れが可能で、国際的なオピニョン・リーダー的な欧米諸国で開催国を設定してから、その国に適したカリキュラムを組むこととする。具体的には従来から実施してきたイギリス、ドイツ、スウェーデン、アメリカにオランダ、デンマークなどを入れていきたい。
l アジア太平洋地域労働事情視察団:継続実施する。本企画はA/P地域委員会とセットでプログラムを組むので、地域委員会開催国及びその周辺国での開催を基本とする。また参加者は、地域委員会への参加を念頭に、各組織のリーダーそう及び国際担当者を中心に構成する。2003年度は地域委員会及び欧州地域組織(EFFAT)との合同会議が開催されるタイを中心に検討する。
l 海外調査チーム:2003年度は実施しない。運営委員会の論議や勉強会を活性化させ、その中で加盟組織のニーズとして具体的なテーマが出てきた際に実施する。
l 勉強会:運営委員会メンバーを対象とするものと、普段国際労働運動に触れる機会が少ないメンバーへ拡大したものの2つのパターンで考える。運営委員会メンバーを対象とする者は、改めて勉強会とするのではなく、運営委員会での論議を掘り下げるといった観点から実施する。従って講演よりも論議に焦点を当て、運営委員会メンバーのレベルアップに役立てる。また、拡大したメンバーでの勉強会は、IUF発信情報を引用してその背景や対立する意見を紹介するなどして、IUFの活動を身近に感じさせる工夫をする。
l その他:インドネシア・ミッションは、4月下旬を中心にA/P地域事務所で調整することになっているが、仮に実施されない場合もJCCとして独自ミッションを派遣する。メンバーはA/P地域委員など7月の地域委員会に出席するメンバーを中心に構成する。

尚、勉強会に関連して、とりあえず上記の答申案通り実施して議論を深める場を提供し、運営委員会をより議論を中心とした場に変えていくということ、三役会と運営委員会の論議テーマの峻別を行い、メリハリの利いた会議運営をしていくことが確認された。また、必要に応じて各組織の政策担当者も入って、議論を深めることの必要性も確認された。
運営委員会メンバーでの討論テーマは、とりあえず次回はインドネシア・ミッションを控えているため、他組織のインドネシアの組織化状況を勉強し、ミッションに向けてのJCCのスタンスを討議する。それ以降は未定であるが、加盟組織からの要請や、磁極を見計らったテーマ設定を順次行っていく。
拡大メンバーでの勉強会テーマは、食品安全やGMO問題などに対する各産別および海外の労組の対応や、減反をはじめとした農政問題が提案された。

2. 修正予算
 前項での、海外調査チームの実施見送りをうけ、海外調査チームにつけていた予算を他の費目で試用することを目的に修正予算を編成した。事務局からの提起に引続き、確認のための質疑が行われた後、修正予算は採択された。修正予算のポイントは以下の通り。
l UIゼンセン同盟の加盟人員数が33千人となった3千人分の収入増(約40万円)と、海外調査チーム実施見送りによる支出減(30万円)により、約70万円の再編成が可能となった。
l 前項で承認された勉強会充実のための会議費経費の増額、旅費交通費の増額などの修正予算への盛り込み(10万円)。
l 職員交代に関して、予定していた交代時期のずれに伴う職員人件費増額の修正(約30万円)と、新規採用時に発生する紹介手数料の設定(70万円)。

以上