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Uniting Food, Farm and Hotel Workers World-Wide


ユニリバーとIUFの和解で、パキスタン・リプトンの不安定雇用に関する争議決着

Posted to the IUF website 31-Oct-2009





ユニリバーとIUFの和解交渉で、ユニリバー所有のパキスタン、カネワールのリプトン・ブルックボンド紅茶工場の不安定雇用の労働者の権利に関する長期にわたる困難な争議が決着した。この交渉は、OECD多国籍企業ガイドライン適用に関して責任を持つ英国のナショナルコンタクトポイントの援助で行われた。IUFは、今年3月にキャンペーンの一環としてOECDに申立を行った。本キャンペーンによって、カネワール労働者と彼らの闘争に強力な国際支援が引き起こされた。

カネワール工場でユニリバーに直接雇用される労働者はたった22名で、残りは労働派遣業者から送られる何百名もの使い捨ての臨時労働者でノーワーク・ノーペイ制度で働いていた。本工場は、 大量の臨時雇用を通して基本的な労働組合権を否定する強烈なシンボルとなった。カネワールの不安定雇用労働者は、法律上ユニリバー労組に加入できず、実質経営者であるユニリバーと団体交渉をすることができなかった。

和解の条件として、ユニリバーは、2009年10月15日にさかのぼって200名の直接常用雇用を創出することに合意した。雇用選考は年功序列にもとづき、カネワール労働者行動委員会のメンバーに優先権が与えられる。カネワール労働者行動委員会が、現地でIUF加盟の全国食品飲料タバコ労連の支援を得てこの闘争を率いてきた。雇用選考とそのプロセスはIUFとパキスタン・ユニリバーが共同でモニターし、実施する。

労働派遣業者は多くの場合、雇用する労働者に対する強制的な財政義務と国家法令上の義務である社会保障と退職基金を守らないため、この和解には、ユニリバーの派遣労働者(常用雇用になる者もそうでない者も)に対する直接一時金支払いと派遣業者の国家義務遵守をユニリバーが担保することが入れられた。

常用雇用と広範囲な賠償案のグローバル協定の下、行動委員会のメンバーは、全ての訴訟取り下げに合意する。また、この和解には行動委員会のメンバーに対する非差別とIUFとその加盟組合の全面的な代表権に関する条項も含まれる。

協定の中に、ユニリバーは、カネワール工場の事業の継続と投資にコミットするということが入れられた。

カネワール労働者の行動委員会は、デモや、会社へのメッセージ送付や、集会やピケ、政治的活動や他の連帯表明活動などを通じてこの闘争を支援した世界の多くの労働組合活動家や人権擁護者に感謝を表明した。こういった支援は必要不可欠だった。

行動委員会委員長シデック・アッシは、「カネワール工場で20年以上働いてきたが、常用労働者になって工場に入る日が来るなんて想像したことがなかった」と語った。行動委員会書記長ムクター・アーメッドは、「ユニリバーカネワール工場で常用雇用につけるなんて夢のようだ」「今の気持ちは言葉では表せない」と言った。行動委員会共同書記長シャザッド・サリームは、「工場の誰もが信じられない思いでいる。我々が闘争を始めた時、岩にぶちあたり、つぶされるだろうと言われた」と語った。

IUF書記長ロン・オズワルドは、「カネワール合意は、ラヒム・ヤー・カーンにおける最近の和解に加え、何百名ものパキスタンの組合員にとって素晴らしい時だ。彼らは今やユニリバーに直接雇用される職に就いた。これは、家族により良い生活の糧をもたらし、職場で尊厳と安定をもたらす。最も困難な状況において自分たちの権利を勝ち取るために長期間闘った勇気あるメンバーと共に活動したことをIUFは、誇りに思う。ユニリバーの今後の挑戦に対応するためにこのグローバルな経営者と継続的かつ建設的な対話を行うことを楽しみにしている。IUFは、これらの挑戦を、公けの闘争やOECD他国企業ガイドラインの英国のプロセスを通じてではなく、グローバルな交渉の席を通して解決し始める方法を見つける努力をしている。OECD多国籍企業ガイドラインの英国のプロセスは、非常に重要である事が今回実証された」とコメントした。