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Uniting Food, Farm and Hotel Workers World-Wide


2009年度第3回IUF-JCC運営委員会議事録(2009/01/30)

Posted to the IUF website 02-Feb-2009





味の素労組会議室で行われた標記委員会の報告を下記の通り致します。
(日 時)2009年1月30日(金) 15:00−17:40
(出席者)金、江森、山本、植田(フード連合)、徳田、中野(UIゼンセン同盟)、
小川、大谷(全国農団労)、田上、井土、岡田(サービス連合)、見里、高田(JCC事務局)
第2部のみ:(フード連合)キリンビール労組 福井
合計14名(敬称略)

第1部
報告事項

1. NGOとの協働
(1) NGO-労働組合国際協働フォーラム

● 2月12日に、医薬品連盟でHIV/エイズに関するワークショップを行う。本ワークショップは同連盟のセミナーの一環で、同じメンバーを対象として7月にもセミナーが行われる予定で、HIV/エイズのワークショップも2回に分けて実施する。
● 今年も4月29日の中央メーデーにフォーラムとして出展することとなった。詳細はこれから詰めていく。
(2) 児童労働ネットワーク(CL-Net)
● 今年6月の「児童労働反対世界デー」にあわせたキャンペーンは、「最悪の形態の児童労働」に関するILO182号条約採択10周年を記念して、テーマを最悪の形態の児童労働とすることを決めた。
● イベントに関しては、6月6日(土)に全電通会館ホールで行う。第1部映画「闇の子供たち」、第2部パネルディスカッションの2部構成とし、「闇の子供たち」に主演した宮崎あおいをスペシャルゲストとして招聘する方向で検討に入った。尚、本イベントはILO駐日事務所が協力の下、国際協働フォーラムと児童労働ネットワークの共催で行われる。

2. 争議支援・連帯活動
【緊急行動要請】
● パキスタンのユニリーバ・リプトン紅茶工場で突然の工場閉鎖と、それに伴う122名の正規従業員と450名の非正規従業員の解雇を受けて、同社のCEOに組合と協議を行うよう抗議文を送った(1月26日)。

3. 各組織報告
フード連合
:1月26;日に中央委員会を開催し、春闘方針を決定した。賃上げは昇給込みで10,000円基準、ベアにして5,000円、賃金体系がないところは8,500円。パートは30円の昇給を要求する。労働時間も重点課題に挙げる。パンや食肉業界を中心に年間所定内労働時間が2,000時間以上をこえる加盟組織が300単組中104単組ある。課題を洗い出し具体的な改善を行うために、時短サポートチームを昨年結成した。2011年3月末までに所定内労働時間2,000時間の単組がなくなるように、対象組織が2010年10月までに合意に至れるように交渉する。3月18日を集中回答日に設定。有志共闘に加え、現在18単組が参加する先行組合共闘を組んで相場形成を図る。
UIゼンセン同盟:1月27日に中央委員会を開催し、春闘方針を確認・決定した。2%、5,000円を基準とし、賃金体系がないところは9,500円の獲得を目指す。昨年から取り組んでいる時短も年間所定内賃金2,000時間以内を要求していく。また、残業割増率が25%に張り付いている単組で割増率をあげる方向。3月18日を山場に、19日にスト設定して回答引き出しを目指す。中小などの第2グループは3月26日にストを設定している。
全国農団労: 1月16-17日に営農・販売担当者会議を行い、UIゼンセン同盟のご手配で7&iホールディングスから講師を呼んで農産物をめぐる流通に関して勉強した。1月23-24日には京都で春闘討論会を開催し、方針案を決定した。BUは1%基準、非正規労働者の待遇改善を要求する。3月23日を回答指定日とし、3月内決着を図る。
サービス連合:1月28日に中央委員会で要求をまとめた。賃金カーブを維持した上で1%の賃金改善で8,000円程度、賃金体系の無いところで7,500円程度の賃上げを目指す。非正規労働者に関しては月次で3,300円、時給で20円の昇給を要求する。一時金は4ヶ月以上の確保を目指す。時短に関しては、旅館やリゾートを中心に年間所定内労働時間2,000時間以上が40単組あり、全単組の2,000時間以内を目指し、時短の委員会を設置する。その他、次世代育成支援対策推進法の今年4月改正法施行への対応、雇用安定化などの議案4項目を要求する。2月18日4役会、19日ホテル・レストラン常任会を経て、各単組の交渉に入る。3月18日を山場とし、中小も含めて3月内決着を目指す。

4. 今後の予定
<次回運営委員会までの予定>
● 連合フェアトレード・セミナー:2月6日(金)、総評会館203号会議室
● HRCTホテル部門運営委員会:2月9日(月)、ジュネーブ
● HRCT観光部門運営委員会:2月10日(火)、ジュネーブ
● HRCT三役会:2月11日(水)、ジュネーブ
● A/P女性ワークショップ:2月26日(木)、ソウル
● A/P女性委員会:2月27日(金)、ソウル
● 第33回海外労働学校参加申し込み:2月2日(月)〜27日(金)
● IUF会費・A/P地域活動基金徴収:2月27日締め切り
● 第3回JCC三役会・第4回JCC運営委員会:4月6日、味の素労組会議室
<年間スケジュールの変更>
● グローバル・コカ・コーラ同盟運営委員会:4月16日(木)アトランタ
● A/P HRCT会議:8月4-5日、クアラルンプール
● A/P食品飲料ワークショップ:8月7-8日、クアラルンプール

5. その他
● 新聞記事コピー:「職の安全 − 揺れる企業」、日経新聞、2009年1月29-30日


協議事項
1. 通訳費の負担に関して

会議通訳費の負担に関しては前回の運営委員会で議論したが、十分な確認が出来なかった部分や未論議の部分を今回改めて以下の通り確認を行った。
● 前回の論議では産業別会議か企業別会議かで区分けし、産業別会議は参加者の負担をなくし、企業別会議は参加者が100%負担することを基本とすると決定したが、区分が不明瞭であった会議に関し、次のようにJCC事務局から提案し確認された。
サブセクター(業界)のグローバル会議(乳業、食肉、ビールなど):セクター(産業)部会および部会で定めたサブセクターの運営委員会とは区別し、参加者に50%をご負担いただく。
A/Pの産業別会議:参加者に50%をご負担いただく。
● 企業別会議に関しては、当該単組およびその産別組織の役割とJCCの関与のあり方が十分な論議の下コンセンサスを得るに至っていないので、今後時間を掛けて議論することを確認した。当面は、次のような対応を行う。
コカ・コーラ同盟運営委員会およびIUF/TCCC定期協議会:今年4月の会議は、とりあえず参加者組織に50%のみご負担いただく。それ以降に関しては、再度論議する。
グローバル・地域企業別会議(コカ・コーラ、ネスレなど):参加者組織に100%ご負担いただく。
JTIグループ会議:タバコ部会の方針で企業別活動を軸とした活動にシフトすることを決めたことを受けての会議なので、産業別部会会議と同様に参加者の負担はなしとする。
JCCとして戦略的に開催する日系多国籍企業の会議:その都度、議論して決める。
その他:基本は参加者100%負担を原則として、その都度確認する。

2. 第33回海外労働学校の募集要項に関して
今年5月13~24日に予定している第33回海外労働学校の募集要項に関して、以下の内容で承認された。募集は2月2日からスタートし、応募締め切りは2月27日(金)とする。
今年はジュネーブとイギリスで開催し、イギリスのIUF加盟組織のUNITE(T&G)の協力を得て、プログラムを作成・実行する。参加費に関しては、昨年同様応募人数によって設定を変えた。尚、現在の燃料サーチャージは適用期間が1〜3月であり、4月以降は値下げが予測されるため、大きく変更される場合は、後日再計算して返金することもある。

3. IUF会費およびA/P地域活動基金の徴収に関して
 2009年度のIUF会費は昨年度から0.05スイスフラン値上がりし、一人当たり2.40スイスフランとなる。本運営委員会で、最近の円高を反映させ設定した為替レート(スイスフランを82円、オーストラリアドル)が承認された。
 2月第1週にJCC事務局より各加盟組織に請求書を発送し、2月27日(金)までにIUF日本事務所会計口座にお振込みいただく。第1四半期内の払い込みが規約によって定められているので、為替の動向を見定めて振込みを行い、その結果を次回運営委員会(4月6日)に報告する。

4. その他
● 執行委員会(5月7-8日)の出席者の調整:2月第2週までに各組織で調整し、添付の記入用紙に記入の上、JCC事務局にご返送いただくことが確認された。

第2部:勉強会
「グローバル枠組協定(GFA)締結に向けた取り組み」

講師:サービス流通連合 島屋労働組合 村田善郎中央執行委員長、小熊栄中央執行委員

村田委員長のご挨拶の後、サービス流通連合が作成したDVD「島屋グローバル枠組協定調印式」を上映した。その後、小熊氏よりパワーポイントによるプレゼンテーションを受けた。主なポイントは以下の通り。
● 一昨年のサービス流通連合の大会における五十嵐副会長の話で、GFAのことを知った。それが具体的なGFA締結に向けた取り組みのキックオフとなった。
● 2008年3月にUNI本部書記長のフィリップ・ジェニングスが来日した際、島屋社長との懇談の場を設けた。鈴木社長はかつて労組委員長であり、UNIの会議出席の経験からジェニングス書記長のことも知っていたことから、打ち解けた会合となった。同年6月には全島屋労組連合会と経営のグループ経営懇談会でGFAについて労使の意見交換を行った。
● 経営では7月の常務会でGFA論議がスタートした。当初はグローバル・コンパクトとの違いを含め、さまざまな意見が出たが、組合が一つ一つの疑問に対して答えながら役員を個別に説得して回った。また、社外取締役からの前向きな意見もあり、10月には取締役会でGFA締結を決断し、11月ニヨンでの調印式に至った。経営側も、「GFAをスリーピング協定にしてはいけない」、「コンプライアンスに掛かるコストを考えれば、GFAの経済的負担は大きくない」といった評価をしている。
● 以前から島屋労働組合では組合の社会的責任(USR)の取り組みを行っており、その延長線上にGFAがあると捉えている。島屋労組にとってGFAが目的ではなく、USRの実践という目的の途中停車駅がGFAであると考えている。
● 経営側も、創業当時からの「店是」に加え、1991年の経営理念、2006年に打ち出したCSR経営の方向性策定、2008年の「環境経営」など、かつての商法違反事件を反省し更に積極的にCSRを打ち出す方針を示していたことが、今回のGFA締結がスムーズに進んだことの基盤となっている。

質疑
Q1:職場討議を1,300回実施して、組合員に説明したと聞いたが、職場討議前と後でどのように組合員の意識は変化したのか。
A1:現在年間に4回ほどの職場会を実施しているが、現在3シフトで職場を回していることとパートタイマーも組織化しているので、18ある支部で1回につき2週間の職場会を実施すると約1,300回になるので、特別にこのとき多くの職場会を実施した訳ではない。執行委員の腹に落ちていないと説明できないが、USRの活動をしてきたので、比較的執行委員が自信を持って説明することが出来た。職場では、当初は協定に違反した場合にどのような問題が生じるかなどを懸念する声も有ったが、調印式後の報告会では「誇りに思う」といった声が出た。
Q2:経営トップの考えが大きいように思うが。
A2:確かに鈴木社長が組合委員長としてUNI(旧FIET)の会議にも出席した経験があることは大きいが、経営として全体のCSRに対する姿勢が重要であった。一方で、秋葉原で派遣労働者が無差別殺人を犯した事件の直後でもあり、従業員が加害者ともなりうることも考え、差別の無い経営を打ち出したという、タイミングの良さもあったと考える。
Q3:島屋の海外店舗での組合組織化はどのようになっているか。
A3:多くの海外店舗では日本人の組合員の駐在が数名いる程度であるが、400名の従業員がいるシンガポール店は組合の支部が存在する。また、今回のGFA締結以降、ニューヨーク店でアメリカの商業労組が組織化をしたいと表明してきている。
Q4:このGFAはグループ各社・各労組が対象となっているのか。
A4:全島屋労働組合連合会には9単組が加盟しているが、加盟人員の95%が島屋労働組合員である。USRの取り組みは島屋労働組合からスタートしたが、グループ全体への拡大も視野に入れている。構想としてはグループとしてのGFAもあるが、既にGFA論議は経営側では終了しているので、USRの展開を中心に考えている。


以上