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パキスタンのムシャラフ大統領に労働組合権の尊重を訴えよう!

21-Oct-2002



パール・コンチネンタルホテル労組に連帯を

ここカラチの高級ホテルに改装されたパール・コンチネンタル・ホテルでは、過去一年以上、基本的労働組合権を勝ち取るために労組が闘いを続けている。労使対立は2001年9月に、経営側が臨時従業員と短期雇用従業員の全員解雇と、常用従業員に対しては1週間につき1日の労働削除を発表した時に始まった。労組は交渉を求めたが、経営側は労組の要請を無視し350名の臨時雇い従業員を解雇した。組合も解雇された従業員も何の通告も受けていなかった。解雇通知は11月8日付の日刊新聞に掲載され、従業員が翌日仕事に行ったが、ホテルへ入ることを阻止された。

臨時雇い従業員の権利を守るために始められた組合行動であるが、すぐに組合の存在、また組合員及び組合役員の身の安全に対して、経営側が全力を挙げて攻撃するという事態にエスカレートしていった。2002年1月、ホテルで起こった不慮の火災が、警察が多くの組合役員と組合員を不法拘束する口実となった。

組合書記長グラム・メブブ、共同書記長バシール・ハサン、副委員長オーラングゼッグの三名は1月7日に逮捕され、3月21日に保釈出獄されるまで拘留された。モハマッド・ナジルとモハマッド・ナワズの2名の組合役員も不法に拘留されたが、彼らは欠勤を理由にして停職処分になり、いまだそのままである。グラム・メブブ、バシール・ハサン、オーラングゼッグは、拘留されたまま3月2日に教唆の罪で逮捕され、ホテルを解雇された。組合役員のノ−ル・ワリ、アリ・ムラド、ヒダヤトゥラ、モイン・カーン、ナスリーン・レシャドは3月11日に説明もないまま解雇された。この他31名の組合員と組合役員が真偽の疑わしいリストラプランのために解雇された。

組合はこれらの脅し行為に屈服することを拒んでおり、デモや記者会見を引き続き行っている。経営側は7月6日に反組合の暴力を再びエスカレートさせた。この日、副委員長オーラングゼッグと副社会書記長ヒダヤトゥラが亡元労働大臣オマー・アシュガー・カーン氏の一般追悼集会に勤務を外れたホテル従業員を連れていくために彼らをホテルの外で待っている時に警察に連れていかれた。彼らは二人のホテル管理職の目の前で準警視に殴られた。警察に26時間拘留された後に釈放された。

この暴力行為に対して、IUF加盟組合はカラチ警察とパールコンチネンタル経営側の行為に関して偏りのない調査を訴える組合を支援するために書簡を送った。今日まで、政府からの返事はない。

組合は労働部および裁判所を通じて、解雇、経営が組合費チェックオフを廃止したことまた組合登録の排除を試みていること抗議している。様々な法律手続きの途中であり、この動きは非常に遅い。

パキスタン政府はIUFによりILO自由結社委員会に訴えられている。本委員会が開かれる11月に裁定が出ることが期待できる。

貴組合にできること

パキスタン政府が労働組合・の尊重に基づきこの争議の解決に介入するように圧力を高めるためにパールコンチネンタルホテル労組は直接パキスタンのムシャラフ大統領にメッセージを送り、またホテル経営者にその写しを送るよう要請している。IUFのムシャラフへの手紙をもとにした手紙の例は以下の通りである。

パキスタン大統領へのメッセージの例

宛先 Mr. Pervez Musharaf, President &Chief Execurive Of the Islamic Republic of Pakistan
Fax +92-51-9206907/+92-51-9206907/+92-51-8224590
E-mail [email protected]
General Manager, Pearl Continental Hotel, Karachi, Pakistan
Fax +92-21-568-1835/568-2655
E-mail [email protected]
件名 カラチパールコンチネンタルにおける深刻な民主権の侵害

大統領閣下

126ヶ国1200万名を代表する国際労組連合、IUFからカラチのパールコンチネンタルホテルにおける再三に渡る深刻な基本的民主権の侵害について連絡を受けました。

一年以上に渡り、ホテル従業員の圧倒的大多数を代表する民主的に選出された労組が、国際条約およびパキスタンの憲法の下保証された労働組合権を擁護しようと努めて参りました。過去、パールコンチネンタルホテル労組の組合員及び組合役員が容赦なく解雇され、警察に不法に拘留され、暴力で脅かされ、最近ではホテルの管理職の目前で地方警察本署で殴られるという憂き目にあっています。パキスタンの労働者を原則として保護するために存在する法律が実施されているという兆しも、また法の下での平等の正義の原則が適用されている兆しも全くありません。

これらの虐待がパキスタン警察と地法自治体の協力により行われていることから、国内法および国連の国際条約の深刻な侵害において、パキスタン政府はいまや国連システムの一部で・る国際労働機関に告訴されました。訴訟事件番号2169です。ILOがパキスタン政府は結社の自由に関する国際条約を支持することを怠ったと裁定しますと、圧倒的な証拠からこうなるのは避けられないでしょうが、この結果は国連の公式文書に印刷されると共にILOホームページに掲載されます。

パールコンチネンタルの経営側が行う従業員とその労組に対する残忍な違法行為は、パキスタンの海外でのイメージに相当な打撃を与えることは確実でしょう。また、従業員の殴打に加担した経営者のいるホテルに泊まりたいと思う観光客は少ないでしょうから、観光業が悪影響を受けるでしょう。パキスタンへの旅行を考えていた人々も同国の警察が公共秩序の番人というよりも富裕なビジネスマンの肩を持って脅しと返報の道具としての機能を果している様子を見て旅行するべきかどうか真剣に考え直すでしょう。

貴国政府が調印している国際条約の尊重に基づき、この件を一刻も早く解決することが貴国にとっての利益であると信じています。したがって、貴殿の仲裁を持って、パールコンチネンタルのオーナーおよび経営者に介入していただき、パールコンチネンタルホテル労組の権利が全面的に尊重され、また経営側がその従業員とその労組に対して行う暴力と脅しを一切止めることを確実にすることを求めるものです。我々はさらにパールコンチネンタル労組に対する経営者の違法な攻撃に関して目に余る警察および司法・力の濫用を調査するために全面的、公平かつ透明な取り調べを行うことを求めるものです。

敬具

メッセージの写しをIUF書記局に送付してください。書記局からパールコンチネンタルホテル労組に送ります。

連帯と支援に感謝します。