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訴訟の新時代?アメリカの倒産小売業者が、プライベートエクイティファンドを資産剥奪で告訴

Posted to the IUF website 14-Sep-2008





信用危機が始まってから訴訟が急増している。買収ファンド、銀行、目的企業は、取引崩壊や解約手数料に関する訴訟や対抗訴訟の渦に巻き込まれている。銀行は取引を逃れるために、会社は非公開にされた賠償請求で、ファンドはあらゆる人に対し、信託責任から国家安全保障の規制問題まであらゆることを訴えて訴訟を起こしている。ポートフォリオ会社の倒産が増加しているため、債権者からのプライベートエクイティファンドを相手取る訴訟が増加することが予想できる。アメリカのジェネレーターメーカー、パワーメイトコーポレーションの債権者が8月に裁判を起こしたような例である。この裁判でプライベートエクイティの所有者サン・キャピタルとヨークストリートパートナーズは、会社を配当リキャピタリゼーションで負債で窒息させ、倒産させたと告発された。

しかし、9月2日にアメリカの小売業者メルヴィンズが発表した訴訟は、この類のものとしては、初めてのものだった。(もちろん最後のものではない)本訴訟は、プライベートエクイティの所有者(ケルベロス、サンキャピタル、不動産スペシャリストLubert-Adler)とこれをファイナンスした銀行、2004年にメルヴィンズを売却した親会社の小売チェーン、ターゲットを相手取り、取引資金のファイナンスを多額の借金で行うためにメルヴィンズの不動産資産を使い、その後、この資産を吊り上げ価格でリースして、会社を倒産させたとして告発するものだ。会社弁護士によると「その結果、究極的にメルヴィンズを倒産させた。これは精査に耐えない不正移転である」としている。約1万8千名の従業員を雇用する同社は、倒産保護法の下に再生しようとしている。

『価値の解除』の典型的なメカニズムは、小売事業用に別会社を結成し、そしてその資産をリースすることである。9月3日付のミネアポリス・セントポールスター・トリビューンの記事によると、

「メルヴィンの訴訟は、レバレジッド買収の最後の波で好まれるテクニックを扱うものだ。レバレジッド買収は、倒産の岸に打ち上げられ始めている。買収者は、メルヴィンのような小売業者の買収資金をまかなうために、その高価値の不動産を利用し、取引で不動産と基礎事業を分割する。

小売業本体からの不動産の足の切り離しは、プライベートエクイティ会社が編成する一連のあっという間の同時移転ですべて終了すると、メルヴィンの弁護士は、話す。

メルヴィンによると、同社は、不動産を奪われたこの取引から830万ドルしか受け取らなかった、プライベートエクイティ会社、弁護士、投資銀行家は、手数料として5800万ドルを分け合った。メルヴィンの弁護士によると、この不動産の価値は、約16億8000万ドルである。

メルヴィンの不動産は倒産しないように仕組まれた会社の手に握られ、小売業者の債権者はこの資産に手がつけられないと、会社は主張する。訴訟によると、取引の背後にいる者は、当時これがメルヴィンの生存に十分な資産を奪う事になるのを承知していたということだ。

不動産をベースにしたレバレッジド買収の2段階目として、買収者は、買収された会社に対する有利なリースを通じてキャッシュフローの流れを閉じ込める。メルヴィンによると1億7200万ドルの年間賃料は、プライベートエクイティ会社がターゲットから資産を買取り、賃料を課すようになってから8000万ドル値上がりしたものだ」

新しいリースバック契約で、メルヴィンの年間リース支払いは、約2倍の1億7200万ドルになった。訴訟によると、メルヴィンの不動産資本を小売事業から分割し、プライベートエクイティのプレイヤーは、不動産資本の残りの価値や価格上昇があった場合、これをメルヴィンではなく彼らが保有することを確実にした。

賃料の急騰と堅実な配当キャピタリゼーションで、プライベートエクイティのオーナーは、2004年の12億6000万ドルの買収で、最初の掛け金を2倍以上にした。ウォールストリートジャーナルは、通常、買収産業に対して批判的なスタンスを取らないことで知られているが、9月4日付けの記事で以下を述べた。

「メルヴィンに関る取引は、プライベート投資会社が苦闘する小売業者をそのファッションセンスではなく、不動産の価値によって先を争い買おうとするこの10年の前半に起こった。

ヘッジファンドマネジャーのエディー・ランパートは、倒産した小売業Kマートを自由に支配する力を得て、その後その不動産を売却して、大金を得た。コールバーグ・クラヴィス・ロバート社、ベインキャピタル、ヴォルナド・リアリティトラストがトイザラスを買収した理由のひとつは、その店舗価値にある。

サンとケルベロスに対する訴訟は、特にプライベートエクイティ産業にとって難儀である。プライベートエクイティは、従業員や組織を考慮せずに健全な会社の身ぐるみを剥ぐという何十年にも亘る批判を振り払おうとしている。」

サービスの提供から不動産資産と事業を分割することは、ホテルチェーンから現金を吸い出すために好まれるメカニズムとなった。これは不動産投資信託(REIT)に不動産の売却をすること通じて行われ、会社を非公開にする必要はない。ヘッジファンドとアクティヴィスト投資家は、上場会社の成長株を買っているのでこれらの変更を推進している。この代償は、労働者が解雇、スピードアップ、賃金カット、年金や給付攻撃で支払っている。