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Uniting Food, Farm and Hotel Workers World-Wide


2008年度第5回IUF-JCC運営委員会議事録(2008/5/12)

Posted to the IUF website 14-May-2008





味の素労働組合会議室で行われた標記委員会の報告を下記の通り致します。
(日 時)2008年5月12日(月)  15:00−17:10

(出席者)畑木、江森、山本、植田(フード連合)、中野(UIゼンセン同盟)、内田、小川(全国農団労)、
岡田(サービス連合)、見里、高田(JCC事務局)
合計10名(敬称略)

報告事項
1. 第8回TCCC/IUF協議会報告

 標記会議が、3月11日アトランタのザ・コカ・コーラ・カンパニー(TCCC)本社にて行われ、日本からUIゼンセン同盟佐久間常任中執と瀬古東京コカ・コーラ労組委員長が出席した。主な論議内容は以下の通り:
● 労働組合及び労働者の権利のテーマで、パキスタン、欧州、カナダの状況に関して議論された。
● コカ・コーラ・システムにおける構造改革、アウトソーシング、労働の柔軟化のテーマで、北米の状況(特に米国)、インドをはじめとした水の保全と持続可能な使用に関して、フィリピンでのアウトソーシングの状況に関して議論が行われた。
● イリアル・フィナン社長兼ボトリング投資及びサプライチェーン常任副社長が出席し、ボトリング事業運営に関する説明を行った。瀬古委員長より、日本のマーケットへのTCCCの直接投資に関する件とコカ・コーラ・ナショナル・ビバレッジ(CCNBC)の今後の運営に関する質問を行った。この中で、今後も日本のボトリング会社の合併などの効率化は進むであろうと示唆があった。
● 国際枠組協約の交渉が行き詰まる状況を打開するために、協議会の形式を変更してコカ・コーラの国際同盟を構築して各地域から選出する運営委員が協議・交渉に臨むことで、代表性を高める。5月22-23日のグローバル会議では、これを主要テーマに論議する。

2. HRCT部会委員会報告
 標記会議が、4月9-11日にラ・グランハ(スペイン)にて開催され、サービス連合田上副会長とJCC見里が出席した。主な論議内容は以下の通り:
● 具体的な組織化活動を推進するために、ホテル、ケータリング、ツーリズム部門にそれぞれ運営グループを設置し、参加組織のイニシアティブによる活動を促進することとなった。サービス連合はホテル部門にエントリーした。ホテル、ケータリング部門の運営グループの初回会合は今年6月、ツーリズム部門の運営グループはUNIおよびITFと合同で9月に会合を持つ予定。
● レストラン部門に関しては、マクドナルドの組織化に関心を持つ加盟組織が集まって情報交換を行った。日本もこれに加わった。IUFのホームページ内に“McJob.org”という専用のサイトを持ち、このウェブ上で情報交換を行うことを確認した。
● 決議に関しては、日本のプリンス・ホテルによる日教組への使用拒否を非難し、同ホテルの使用を控える連合及びITUCの呼びかけを支持する決議や、現在JCCも支援を行っているハワイのパシフィック・ビーチ・ホテルの争議新決議を含む8つの決議が採択された。

3. 女性委員会報告
 標記会議が、4月15日にジュネーブで開催され、UIゼンセン同盟の中野国際局部長が出席した。主な論議内容は以下の通り:
● 昨年の世界総会で規約改正を行った、総会代議員及び執行委員の女性参画率40%以上を達成するための議席枠の設定に関して確認が行われ、現段階での状況の中間報告が行われた。2012年の次回世界総会でこの目標を達成するために、各加盟組織及び地域組織が取り組むことを確認した。
● ILO条約関連として183号(母性保護)、156号(家庭的責任を有する労働者)、177号(在宅勤務)に関して優先的に取り組むことを確認した。
 各分門における女性に関する取り組みの報告を受け、移民労働や食糧危機に関する議論が行われた。
● 女性委員会として3つの決議案を提案することを決めた。@「グアテマラにおける女性殺害」、A「エルサルバドルCALVOにおける反組合的政策」、B「コロンビアUrabáにおけるAfrican Palmの使用」。

4. IUF三役会・執行委員会報告
 IUF三役会が4月16日、執行委員会は4月17-18日にジュネーブで開催され、日本からフード連合畑木副会長、UIゼンセン同盟徳田副会長、中野国際局部長、JCC村上と見里が出席した。主なポイントは以下の通り:
● HRCT部門や食品飲料の企業ごとの組織化活動に重点がおかれるに従い、個別の運営グループの会議などが増える傾向にあり、これら会議への公式言語などの通訳サービスを全て実施することが財政的に困難である。こうした状況を受け、これらの活動に参加を希望する加盟組織のイニシアティブを引き出す狙いもあり、参加費を徴収することで活動資金に当てていくことを確認した。これは、既にCAFÉプロジェクトで実行されており、今後予定されているグローバル・コカ・コーラ会議やグローバル食肉会議などでも、同様の対応がとられることになる。
● グローバル・ユニオン協議会への資金拠出に関して、昨年10月の三役会で問題提起されて以降の課題となっていた。今回の三役会でグローバル・ユニオン協議会の議長(EI書記長)、副議長(BWI書記長)を招いて話を聞いた後、資金拠出を見合わせることを執行委員会に答申することを賛成多数で可決した。三役会の答申を受けた執行委員会でも多くの議論があり、最終的に投票により賛成30票、反対6票の賛成多数で三役会答申を可決した。これによって、IUFは他のGUFやITUCと具体的な課題では協力を積極的に行うが、グローバル協議会の枠組みに当面入らないことを決めた。
● 今まで、三役会で詳細議論し執行委員会で承認してきた、新規加盟に関しては、昨年の世界総会以降三役の持ちまわり審議で年間を通じた加盟手続きを行い、執行委員会では報告・承認事項となった。今年1年間で新規加盟したのは、23カ国、26組織。アジア太平洋地域からの新規加盟は、タイのタイ食品労連の1組織。
● バイオ燃料と食糧価格の高騰に関する意見が数多く出された。日本からも畑木JCC議長(フード連合副会長)から、地球温暖化対策への労働組合としての対応の必要性を訴えつつ、現在のバイオ燃料ブームのあり方に疑問を提示し、食料とはならない植物や食糧廃棄物などの使用による、持続可能なバイオ燃料のあり方をIUFとして提起するよう求める発言がなされた。
● 「ネスレ・ロシアに関する緊急決議」「ウズベキスタンに関する緊急決議」「CALVOエルサルバドルにおける反組合政策に関する決議」「グアテマラの女性殺害に関する決議」「コロンビア、ウラバのアフリカ・パームの導入に関する決議」の5つの決議が採択された。
● 中国餃子問題に関連して畑木議長より、@労働組合として中国とのコンタクトの重要性、Aグローバルな食品安全の監視体制の構築の必要性の2点を主張したが、残念ながら何のレスポンスも無かった。内容を強調するためにも、日本人の発言を議事録にきちんと盛り込むよう、英文にして本部に送付することとする。

5. 海外労働学校参加者・プログラム最終報告
 海外労働学校の参加者は、前回運営委員会での報告人数から2名のキャンセルがあり、最終的に29名となり(内女性4名)、事務局の見里を加えた合計30名の団で開催することとなった。
 プログラムに関しては、最終的に添付資料どおりのカリキュラムを実施する。
 尚、参加を締め切って参加費請求を送付した後に2名のキャンセルがあり、当初参加者数に応じて2段階に設定した参加費で、高額参加費の参加者数となってしまった。参加者派遣組織には丁寧な説明をして、差額を徴収させて頂くことを運営委員会として承認した。

6. JCCセミナーの案内
 6月13日にハンス・オルフ・ニルソンIUF会長を日本に招いて開催する「ワーク・ライフ・バランス」セミナーは、前回の運営委員会で承認されたプログラムで調整を行い、別紙の通りの内容で実施する。加盟組織の組合役員を中心に約60名の参加者を予定し、参加者を応募する。参加申し込み締め切りは6月6日(金)とする。
 各組織の参加者数の目安は、フード連合及びUIゼンセン同盟が20名、全国農団労とサービス連合が10名とする。加盟組織以外には、連合国際局、GUF日本組織に案内する。

7. NGOとの協働
(1) NGO-労働組合国際協働フォーラム

● 4月26日(土)の中央メーデーで、児童労働、HIV/AIDS、教育の3グループで2つのテント、母子保健グループでひとつのテントでイベントをおこなった。JCC加盟組織からも多数の参画をいただいた。
● NGO-労働組合協働の事例報告会を、6月23日に実施する。
● 6月12日の「児童労働反対世界デー」に合わせたイベントをNGO-労働組合国際協働フォーラム、児童労働ネットワーク、ILO駐日事務所の三者共催で6月8日(日)に国連大学にて開催する。イベントは申し込み制となっているので、各組織で積極的に呼びかけを行ってほしい。
● NGO-労働組合国際協働フォーラムとして、「2008G8サミットNGOフォーラム」が行う「100万人のたんざくアクション」(署名活動)に協力することになった。2008G8サミットNGOフォーラムから、ACEの岩附代表が運営委員会で同署名活動に関する説明を行い質疑の後、IUF-JCCとして協力することを決め、各組織内での呼びかけを行うこととなった。
(2) 児童労働ネットワーク(CL-Net)
● 5月1日〜6月30日の2ヶ月間のCL-Netのキャンペーンが始まった。期間中様々なイベントが行われるので、チラシを広く配布していただきたい。また、「働く子どもに教育を」1万人署名活動を行っているので、葉書もしくはホームページ上での署名活動への協力を呼びかけていただきたい。

8. 争議支援・連帯活動
● 前回の運営委員会以降、IUF本部からの緊急行動要請は無かったが、個別案件とし以下の2件に現在対応している:
● トルコのヨルサン乳業で組合脱退に応じない従業員400名が解雇された争議に関し、ヨルサン乳業の取引先のJALからの圧力をかけるよう、JAL労働者の組合に依頼してほしいとの要請があった。現在、ITF東京事務所と協議を行い、どの程度JALが同社の製品を使用しているかなど確認している。
● 最近JTIが買収したタバコ会社ガラハーのロシア工場で、反組合行為が行われていることがモスクワ事務所から連絡があり、フード連合全タバコ労組から事実関係の確認などの側面支援を始めた。

9. 各組織報告
フード連合
:春闘(4/17現在)112組合の集計で、加重平均で5,230円(対前年+47円)、単純平均で4,676円(同+170円)となっている。内容的には中小が頑張っている。昨年実績以上を獲得した組合が全体の62%で、ベースアップもしくは賃金改善分を確保した組合は50単組になる。時間外割増率は79組合が要求、そのうち24組合で収拾している。平日の時間外割増率アップを獲得したのは5単組あったが、休日割増を獲得した組合はない。また、一定時間を越えた残業分の通常より高い割増率を獲得したのは4組合である。
● 中国産の冷凍餃子問題では、UIゼンセン同盟と農団労と取り組み、4月22日に内閣府、厚生労働省、農林水産省に事実関係の徹底した解明などの申し入れを行った。厚生労働省では輸入食品のガイドラインを作成し、パブリックコメントを募集しているので、こちらに対しても産別として意見を提出した。
● 全たばこ労組から要請で、神奈川県で進められている公共的施設における禁煙条例の動きに対し、UIゼンセン同盟、サービス連合、サービス流通連合、連合などにフード連合の立場を説明している。
全国農団労:春闘の妥結は、850単組のうち半分を超えた段階であり、まだ残りの組合では続いている。
サービス連合:春闘は、ホテル・レジャー部門では昨年の業績が比較的良かったので、その結果を反映して、一時金では昨年実績0.4ヶ月の上乗せ目標を達成した(昨年3.35ヶ月、今年4.40ヶ月)。ベースアップに関しては、獲得したのは現状では5組合のみに留まっている。まだ、交渉中のところが多くある。

10. 今後の予定
● 海外労働学校:5月21日-6月1日、ジュネーブ、オランダ
● グローバル・コカ・コーラ会議:5月22-23日(工場見学:5月21日)、フランクフルト
● 児童労働イベント+ウォーク:6月8日、UNハウス(青山)
● JCCセミナー:6月13日、UIゼンセン同盟大会議室
● グローバル食肉会議:6月23-24日(工場見学:6月25日)、イーストボーン(イギリス)
● NGO-労働組合国際協働フォーラム事例報告会:6月23日、総評会館
● JCC三役会・第6回運営委員会:7月4日、味の素労働組合会議室
尚、来期の運委員会の日程を仮決めしたので、次回第6回運営委員会(7月4日)までに、各組織の都合を確認することとなった。


11. その他
● 5月7日、「ビルマの将来を脅かす不法な憲法」と題する緊急シンポジウムが、在日ビルマ人共同実行委員会主催、連合をはじめとする支援組織の後援で、南大塚ホールにて実施された。現在進行している憲法制定の動きを非難し、サイクロン被害の救援活動を呼びかけるアピールを採択した。
● アムネスティインターナショナル日本の児童労働関連イベントのチラシ配布。
● JCC職員の今年度の賃金引上げに関しては、4月度の給与から賃金表に基づいた定期昇給を行った。ベースアップに関しては、加盟組織と世間の状況を見極め、6月度の給与する際に実施する。その結果に関しては次回第6回運営委員会に報告する。

協議事項
1. IUF執行委員会のフォローアップ

● 2012年の世界総会の代議員および世界総会で選出する執行委員は、男女どちらのジェンダーも4割を切らないようにする女性枠が定められている。これはIUF全ての機関に対して適用されるので、2011年のA/P地域総会では総会代議員のジェンダー・バランスを適正化する必要がある。3年後までには日本の加盟組織内での確認徹底を図る。
<世界総会・地域総会代議員数>
フード連合:7名(男性4名、女性3名)
UIゼンセン同盟:5名(男性3名、女性2名)
全国農団労:3名(男性2名、女性1名)
サービス連合:3名(男性2名、女性1名)
<執行委員>
北東アジア地域4議席中1議席を女性枠として残る3議席中2議席を日本からフード連合畑木副会長、UIゼンセン同盟徳田副会長の男性2名が出ているが、2012年以降は北東アジア4議席を男性・女性にそれぞれが2議席ずつ割り当てることになる。韓国、香港との調整も必要であるが、日本内での調整・確認も必要となる。韓国と香港に関しては、当面A/P地域委員会の中で話をしていく。
● その他個別案件として、ホテル部門の運営グループへの参加の方法とコスト負担、JTIグループ協議会立ち上げの提案への対応などが、今後の検討課題としてある。

2. パシフィック・ビーチ・ホテル(PBH)労働争議支援に関して
 ハワイのPBHで組合承認をめぐって組合つぶし行為が行われている労働争議で、同ホテルを組織している全米港湾倉庫労組(ILWU)からにボイコット賛同を求められている件に関し、前回の運営委員会で協議し、JCC加盟組織の上部組織のIUFならびに連合としての対応を先決し、JCCとしてはそれに応じた対応をとることを決めた。その後、IUFでは4月10-11日のHRCT委員会でPBH労働者ならびにILWUの争議を支援する決議を採択し、連合は4月17日の中央執行委員会でPBHの使用を差し控えるよう加盟組織に呼びかけることを決めた。こうしたIUFおよび連合の対応を受け、IUF-JCCとしてもILWUの要請を受け、PBHの使用を控える呼びかけを行うことを事務局と提案し、運営委員会で承認された。

3. その他
● ビルマのサイクロン緊急救援に関して、IUF-JCCとしての対応を協議する。ちなみに資金援助に関しては、IUFとしては人道支援を行わないこと、ビルマ国内にIUF加盟組織もしくは友誼組織が無いこと、ビルマ国外に脱出しているFTUBに対しては連合が支援金を送ること、などを踏まえて三役会及び運営委員会で議論した結果、当面は資金援助を行わないことを決めた。ビルマ国内の支援体制が判明し、軍事政権に吸い上げられないことが確認できたら、その時点で支援金拠出の可能性を再度検討する。また、ビルマ労働組合連合(FTUB)宛ての連帯文を送ることを決め、文面を運営委員会として確認した。

以上