組合、ユニリバーのグローバルな雇用破壊に国際的な動員

Posted to the IUF website 06-Dec-2007





英蘭系多国籍企業ユニリバーの名前は、家庭内では耳にしないが、４００ものブランドで、同社は、世界第３位の食品会社（ネスレとクラフトに次ぐ）、洗剤では世界市場のリーダー、石鹸やパーソナルケア製品では第３位の会社である。スーパーの棚でユニリバーの名前を探しても見当たらないが、どこでも消費者は、ヘルマンズマヨネーズ、べセル、フローラ、ブルーバンド、ラーマのスプレッドやマーガリン類、ベン＆ジェリーズ、ハートブランド、カルトドール、マグナムのアイスクリーム類、クノールスープ、スリムファーストダイエット製品、リプトン、ブルックボンド茶、ジフ、コンフォート、ドーヴ、ライフブイ、ラックス、オモ、パーシル、ロンズ、レクソナ、シグナル、サンシルク、バセリンなのど洗剤、石鹸、パーソナルケア製品は知っている。これらは全てユニリバー製品である。

株主と格付け機関のプレッシャーから、ユニリバーは、過去７年間で世界で１２５を超える工場の閉鎖、売却を行い、世界の従業員数を半分の１７万９千名にした。この期間、利益は着実に伸びた。

世界のいたる所で、体系的なアウトソーシングを行い、ユニリバーの常用雇用を減らし、大量の不安定な雇用を作り出した。アウトソーシングは今や生産高の１５％から２５％に増やす計画だ。ユニリバーの生産をしている多くの労働者は１０年以上の更新可能な臨時契約で雇われてきたのだ！

会社の資源を略奪することで、ユニリバー経営者は自分たちのボーナスを出し、雇用削減とアウトソーシングで生み出した現金を自社株式買戻しに使っている。リストラで自由になった現金は配当金支払いと株式買戻しで２５０億から３００億ユーロをまかなうために費やされる。会社の長い将来を見越した投資は行われない。

ユニリバーが世界で２万名の雇用を削減するという衝撃的な発表をして以来、またそれにつづくこの雇用削減の半分を欧州で行うという発表以来、ＩＵＦと欧州の労働組合は１２月４日火曜日のアクションデーを準備してきた。当日、５００名以上のユニリバー労働組合活動家がロッテルダムに大規模集会、記者会見、デモのために集結する予定である。このイベントは欧州各国の抗議行動と合わせて行われる。

今、欧州諸国で組合はリストラ計画やレイオフで闘争を行っている。９月に英国ユニリバーは、ポート・サンライト、ワリントン、バートンの生産施設のリストラで３１５名の雇用が失われるだろうと発表した。現在、パーフリート、リーズ、クラムリンで工場の再検討が行われている。
イタリアのユニリバーのリストラ計画には、今年の末のカグリアリ（サルディーニャ）のアイスクリーム工場整理とそれに伴う２００名の労働者の解雇、システルマディラティナのフィンダス工場の１００名の労働者の解雇案などがある。

オランダのデルフト工場閉鎖の発表後に起こった１０月の３週間のストライキのためユニリバーは、交渉の席に着いた。最終的に公正な解雇条件とリストラ計画に今のところ影響を受けない労働者の雇用保障に合意する予定だ。

１２月４日にロッテルダムのユニリバー本社で抗議を行う欧州の人々は、会社が欧州以外の場所で国際労働基準をいくつも侵害している点にも焦点をあてる。

２００５年にユニリバーは、ボンベイの工場を閉鎖し、生産を財政環境に適した他の州に移転させ、組合を排除し、使用者義務を逃れるために売却の陰謀を企てた。このために９００名の労働者が雇用を失った。

インドのアッサム州では、ドゥーム・ドゥーマ工場のロックアウトが行われたが、９月に経営者が仕事に戻る条件として労働者に組合を脱退し、会社の御用組合に入るよう求めた時に組合つぶしに変わった。

パキスタンのラヒム・ヤー・カーンの工場で、３５０名の労働者が９ヶ月契約で雇用され、他に８００名が派遣業者を通じて雇われていた。１０月に組合が組合員資格を臨時雇用労働者に広げ、法律上常用身分を得る資格のある労働者を援助する意図を発表した時、ユニリバーは、即座に２９２名の臨時雇用労働者を解雇し、法律上常用労働者になれない派遣労働者に代えた。

ＩＵＦは、これらの侵害をＯＥＣＤに申し立てている。ＯＥＣＤの多国籍企業のガイドラインは、政府間協定で、多国籍企業の使用者に国際労働・人権基準の遵守を義務付けるものだが、ユニリバーは、これを傲慢にも侵害している。この３つの案件で、ＩＵＦは、英国の貿易産業省、国際開発省、外務省の代表からなるナショナルコンタクトポイントに申立を行った。このユニリバーの人権侵害の詳細な情報は、ＩＵＦのホームページに掲載中である。

１２月４日に、世界の組合は、ユニリバーの組織立った雇用破壊を終わらせよという共通要求に焦点をあてて様々な行動を行う。