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ネスレ、熱帯性低気圧を利用してドミニカ共和国の常用労働者を削減

Posted to the IUF website 27-Nov-2007



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ネスレCEO、ピーター・ブラベックが、ジュネーブのILOの聴衆に同社の開発途上国における企業の社会的責任の実績を自賛している時(記事はここ )、ドミニカ共和国のネスレ経営者は、会社が操業する地域社会でいかに『共通の価値観を作り出す』かという独自の解釈を行った。

10月に熱帯性低気圧ノエルが、ドミニカ共和国とハイチを猛襲し、土石流や鉄砲水を引き起こし、何千名もの人々の家を奪い、多数の人々に影響を与えた。熱帯性低気圧の通過地帯の壊滅的打撃はまだなまなましく、復旧と再建がやっと始まったばかりの時に、ネスレはノエルで打撃を受けた11名の犠牲者をサント・ドミンゴのアイスクリーム工場から解雇し、さらに苦しみを与えた。

11月14日に人事部のマネージャーが11名の長期勤続者に解雇通知を手渡している間、工場マネージャーは組合の指導者と会合し、生産低下のために解雇が必要で、彼らの代わりに臨時雇用労働者を雇うと説明した。またドミニカ共和国のネスレ全体でさらに常用労働者数を削減すると言った。

ドミニカ共和国のネスレ労組は、ネスレを責め、この解雇は無神経で、異議があるだけでなく、組合との事前協議を要請する労働協約の規定に侵害すると、強く解雇を非難した。11月16日にドミニカ共和国の3つのネスレ工場の約100名の組合員がユニリバーを含む他の会社の組合員と共にアイスクリーム工場の前でピケを張り、解雇の無効を求めた。11月19日にネスレ労組の代表団が労働省の介入を要請し、組合代表が行動計画の策定の会合を開いた。翌日、記者会見が開かれ、ネスレの無神経さと厚かましいほどの無礼さに焦点が当った。行動計画として、3つのネスレ工場の塀を服喪のしるしに黒に塗る、サント・ドミンゴのネスレ本社前でデモを行うなどがある。

労働者はこの解雇を金銭補償にもかかわらず認めていない。この解雇は80%の生産増加後に行われた1月の解雇に続くものだ。1月には45名の常用労働者が低賃金で残業代なし、しかも国の社会保障制度の負担金のない下請け労働者に置き換えられた。ノエルがもたらした破壊は、ネスレにドミニカ共和国のディーセントな雇用の破壊による成長戦略の維持を奨励したのみだった。