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Uniting Food, Farm and Hotel Workers World-Wide


シュガーワーカー2月号

Posted to the IUF website 08-Mar-2007





欧州連合:最低2百万トンの生産削減

2月23日、欧州農業委員会は9月から始まる2007/8年度にEU27カ国の生産を最低でも2百万トン、すなわちEU全生産の13.5%を削減する規則を導入した。この決定はEU砂糖改革で加工業者の生産割当て放棄量が予想より低かったことに起因している。割当の放棄量は120万トンが目標であったが、最終的に60万トンで合意に至ったものである。

ギリシャ、アイルランド、イタリア、ラトビア、スロベニア、ポルトガル本土は1トン当り760ユーロの支払い補償と引き換えに50%あるいはそれ以上の割当を既に放棄しているためこの削減から免除される。チェコ共和国、スペイン、ハンガリー、スロバキア、フィンランド、スウェーデンに課される削減は、加工業者が生産割当ての一部を任意で放棄したために13.5%以下となる。加工業者が生産削減に従わない場合は、砂糖を世界価格(EUの補助金を受けない)で販売するか、あるいは2008/9年度の割当を使うかしなければならない。

割当削減の最終的な数字は10月に決定されると言われた。もし最終的な数字が提案の13.5%より高ければ、全生産者は割当放棄に関らず、同一割合を追加して削減しなければならない。委員会は先に、管理不可能な余剰在庫の山積みを避けるための手段が必要であると発言した。

IUFグローバルシュガー:コミュニケーションプログラム:インターネットと労組連帯

IUFコミュニケーションプログラム:カリブ海英語圏諸国の砂糖労働者のインターネットと労組連帯セミナーがガイアナのジョージタウンで2007年2月5−9日成功裡に開催された。本地域の砂糖輸出国、バルバドス、ベリーズ、ガイアナ、ジャマイカ、トリニダッド、5カ国の7労組から10名の代表が参加した。このうち5名は女性だった。

研修の目的は、組織内で連帯行動を行う能力の構築、情報収集と移転、砂糖部門の組合の日常活動の支援だった。参加者は、セミナーの評価で、目的が達成されたこと、研修で参加者が作業グループとしてまとまり、労組活動の貢献のために今後の活動が可能になったことに合意した。

本研修は1999年より体系的に開始されたカリブ海諸国のIUF砂糖活動の結果であり、またこれを強化するものだった。研修によりIUFと加盟労組の間、また組合間で情報と経験のより流動的な交換を基本にしたネットワークをさらに広げることが可能である。

参加者は研修のふたつの重要な事柄に特に関心を持った。コンピューター使用とインターネット・ナビゲーションに関する実践用語と技術知識の獲得、そして職業安全衛生に関する能力の構築である。

参加者の間で技術的知識のレベルはさまざまだったが、インターネットの授業と与えられた課題により参加者は同じ関心を持ち、作業に励んだ。その日のセミナーが終了しても参加者はまだ作業を続け、お互いに学びあっているということがよくあった。

職業安全衛生に関する活動で、参加者はサトウキビ加工工場を訪問し、作業を見学した。そしてグループで討議を行い、現地労組に対する訪問工場の安全衛生基準を向上させる一連の勧告を作成した。この経験の関連性は全参加者が即座に理解し、それぞれの国でこの方法が使われるべきだと考えた。また、他の労組の情報やインターネットの情報に助けられ、自分たちの職業安全衛生活動と職場における組合の立場を進めることができると考えた。

IUFグローバル砂糖プログラムにとって、この研修は電子コミュニケーションに関する実験的なプロジェクトであると同時にカリブ海諸国の砂糖活動の力を試すものでにあった。また、この研修は複数の当事者の尽力により築かれたイニシアチブだった。複数の当事者とは、IUFアジア太平洋地域、デンマーク労連3F、ガイアナ労組GAWU(ジョージタウンの本部を研修のために開放し、ここをインターネットアクセスのホットスポットにした)カリブ海諸国の7労組(スタッフを研修に派遣)IUF本部付属のIUFグローバル砂糖プログラムである。カナダのCAWの資金で研修が可能になった。

IUF砂糖サイトwww.iuf.org/sugar/に研修に関する詳しい情報を掲載中。掲載されている情報は、現地の労組への職業安全衛生の勧告、バックグラウンド情報、参加者作成の文書、プレゼンテーション、研修の毎日の報告である。

職場における安全衛生
トリニダッド:シュガーケーン・フィーズ・センターの労働者、事故に抗議して作業休止


2月16日、チャグアナス市のシュガーケーン・フィーズ・センターで、労働者が25フィート(7.62メートル)の高さから墜落し、ひどい切り傷と打撲を負った後、他の労働者は作業を休止した。シュガーケーン・フィーズ・センターの労働者を代表する全トリニダッド砂糖一般労組の委員長ルドラナス・インダルシンは、事故にあったマハンディ・ディプチャンドは樽と木材で作ったまにあわせの足場の3階で作業中だった、と語った。同氏はバランスを失い墜落したものだ。シュガーケーン・フィーズ・センターの役員は、この事故は現在調査中で、労働省と農業省がこの調査に関わる、と述べた。

インダルシン氏は、4ヶ月前に他の労働者、カディル・ホセインが事故で足を失った、と述べた。また、現地の新聞に「適正な足場が組まれ、労働条件が向上するまでは労働者は作業を拒否する」。と語った。

砂糖とサトウキビ技術
米国:バガスからのエタノール製造技術研究中


2月22日、フロリダ環境保護省は、フロリダ代替エネルギー技術プログラムでセルロースエタノール技術を開発するためにフロリダ国際大学とフロリダ・クリスタル・コーポレーションに100万ドルの補助金を出すと発表した。本プロジェクトの目的は、サトウキビ加工における副産物であるバガスをエタノールに変換する費用効果の高い前処理加工を見つけることである。この研究では、フロリダの大規模なバイオエネルギー工場の原料としてフロリダの砂糖産業から発生するバガスの使用可能性を探る。補助金を受けるのはフロリダ・クリスタル・コーポレーションが適格である。

報道によると、フロリダ州ではサトウキビ産業から年に百万トン以上のバガスが発生し、フロリダ・クリスタル社ではバイオマス代替エネルギー施設の燃料供給用に廃材にバガスを混ぜている。この規模は米国で最大だということだ。バガスは砂糖部門では既に重要な燃料だが、エタノール製造のためのバガスの商業的利用開発に強い関心が集まっているようだ。米国では現在エタノール製造の主要原料はとうもろこしだが、とうもろこしから製造されるエタノールは将来の米国のガソリン需要の10%にしかならないと推測される。サトウキビはバイオマスの主要な原料であるが、エタノール製造にバガスを使用する技術が不足している。

フロリダ・クリスタル・コーポレーションは米国の砂糖部門に多大の影響力を持つ多角化した複合企業で、フロリダのサトウキビ栽培、圧搾、製糖所に加えドミノ製糖所をも支配する。最近カナダ、トロントのレッドパス製糖所を買収し、ドミニカ共和国の最大の砂糖生産者、セントラル・ロマーナを支配する。