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Uniting Food, Farm and Hotel Workers World-Wide


IUF、米国Citterioの労働協約改善のため、米国労組とイタリア労組間をコーディネート

Posted to the IUF website 05-Aug-2006





7月14日、全米食品商業労組(UFCW)ローカル1776で、米国Citterioの今後3年間の労働協約が大多数の組合員の賛成を得て正式協約となった。米国、ペンシルバニアのハゼルトンのCitterio工場では175名の組合員が働いている。

UFCWはIUFに、イタリアの加盟労組からイタリアにおける賃金と健康保険制度、またミラノのCitterio本社の労働協約に関する情報を得るために連絡を取ってほしいと要請した。その後初めて労働協約更新のための共通基盤がみつかった。

IUF加盟のイタリアの3つの食品労組のうちのひとつ、FLAI-CGILが迅速に支援を行った。この支援はアメリカの施設の交渉で会社の態度を揺るがすために欠かせないものだった。

高級精肉会社、Citterioは、5月の現行労働協約失効日が近づくと、組合に、些少の賃上げがかなりの生産量拡大に結び付けられる賃金制度を提案した。また従業員医療費拠出金の年間3%以上の増加を拒否し、残りは労働者が賃金から負担すべきと提案した。Citterio経営者は、この制度は、イタリアの本社で採用されており、アメリカのCitterio労働者にも適用されるという立場を取った。実のところ、両国では、健康保険制度と社会保護制度は根本的に異なっており、Citterioの提案は全く不適当かつ不適切である。組合は、再三に亘り成果給が安全健康面にいかに影響するかという情報とこれがいかにイタリアで機能しているかについての情報を要求したが、Citterioの経営者は質問に回答することを断固拒否した。Citterioアメリカの労働者は5月25日の会社の最終提案を全員一致で拒否し、7月14日まで現行の労働協約の延長を獲得した。こうしてイタリア本国でCitterioを組織するイタリア労組からの情報を得るようIUFに要求する時間を稼いだ。経営者は組合に、競合他社には組合がない、とかペンシルバニアに留まりたいが関係者全員の強力が必要になる、などといったメッセージを組合に送ったが、FLAI-CGILはイタリアでどのように健康制度と賃金制度が機能しているかにつき詳細情報を上げ、IUFを通じてイタリアCitterioの労働協約をローカル1776に送った。IUFはまた、CGIL全国役員と福利厚生と生産性に関して 直接協議し、UFCWのローカル交渉ユニットに関連情報を送った。IUFが収集した情報によると、成果給制度はイタリアではボーナスの計算のみに使用されるもので、基本給は産業別に全国規模で交渉されるということがわかった。また健康保険制度に関しては国民が公共健康保険制度にカバーされるイタリアでは、基礎的な健康保険制度は交渉では問題にならないということもわかった。会社側がアメリカの労組に言わなかったことがある。それは、イタリアの従業員との交渉内容は公共保険制度を補完する健康保険制度であって、基礎健康保険制度に関してではない、ということだ。健康保険制度が民営のアメリカの労働者は基礎健康保険制度を問題にしているのだが。

Citterioアメリカ経営者が、ローカル1776が直接イタリアの組合に連絡を取り、イタリアのCitterioの賃金、健康保険制度、成果給制度の詳細を入手したと知るとすぐにその対応は相当柔軟になり、提案内容を変えた。

Citterioは、基本給のかなりの上乗せ、今後3年間時間当り平均40セントの賃上げに加え、生産性に連動した報奨金を追加することに合意した。これにより、ハゼルトン工場始まって以来の高い賃金水準となった。健康保険については、組合は、健康保険の内容を現行水準に保ちつつ、会社の拠出金の増加を当初の3%から11%までに上げることに成功した。