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2006年度第5回運営委員会議事録(2006/04/24)

12-May-2006





味の素労働組合会議室で行われた標記委員会の報告を下記の通り致します。
(日 時)2006年4月24日(月) 15:00−18:30
(出席者)畑木、長島(フード連合)、石田、中野、(UIゼンセン同盟)、内田(全国農団労)、
秋山、林田(サービス連合)、
見里、高田(JCC事務局)、合計9名(敬称略)

報告事項
1. IUF女性委員会報告

4月3日、IUF女性委員会がジュネーブで開催され、UIゼンセン同盟の中野国際局部長(JCC特別運営委員)が出席した。女性委員会での主な論議は以下の通り。
● 女性の参画40%原則:現在の執行委員会もこの原則が満たされていない状況にあり、来年に控えた総会代議員への原則達成が困難な状況にある。規約の変更も含めて検討し、世界総会に提案する予定。
● セクハラ対応:ICFTUや他のGUFと共通のテーマとして取り組んでいくことを確認した。
● 移民労働:東欧・中央アジアのマニュアルの紹介があった。
● 非正規労働者:ネスレの非正規労働者組織化のマニュアル紹介があった。同マニュアルは、現在JCCで翻訳中であるので、出来次第加盟組織へ配布する。

2. IUF三役会・執行委員会報告
 4月4日にIUF三役会が開催され、フード連合の畑木副会長(JCC議長)とJCC見里が、4月5-6日にはIUF執行委員会が開催され、フード連合畑木副会長と斎藤全たばこ労組副委員長、UIゼンセン同盟の石田副会長(JCC副議長)と中野国際局部長、サービス連合の秋山副会長(JCC副議長)、JCC見里の6名が出席した。会議の主なポイントは以下の通り。
● 昨年に引き続き、報告事項は文書との重複を避けて時間を割愛し、論議事項を主体とした会議であったが、それでも尚、協議時間に充分な時間が取れたとは言えず、会議の後半に議題として取り上げられた協議テーマは消化不足の感は否めなかった。特に、リソース(財源、人材、時間)といったテーマに関しては、各組織の持ち帰り論議となった。
● 会議の冒頭、フード連合佐藤事務局長(IUF執行委員第1代理、JCC副議長)を含め、昨年の執行委員会以降ご逝去されたIUF関係者数名に対し、黙祷をささげた。
● 中国に関する論議が、三役会と執行委員会双方で行われた。また、ICFTUとWCLの合併に伴う諸課題、多国籍企業活動などが主に論議された。
◇ 中国問題では、様々な意見が出された議論となったが、最終的には国家がコントロールする組合とは付き合わないというIUFの大原則を確認し、提案されていた中国プログラムの活動原則を採択することとなった。しかし、今後も論議を継続することも同時に確認した。
◇ WCL傘下の食品部門FEMTAAとは合併を行わないこと、グローバル・ユニオン協議会への参加は、今後も協議を継続することを確認した。
◇ 多国籍企業との国際枠組協約(IFA)をより拘束力ある内容にしていく交渉を展開することを確認した。各多国籍企業へのアプローチは、加盟組織からの有志による作業班を構成し、書記局をサポートして実施することを決めた。
● 三役会としてフランスの若年者雇用関連法に関する声明、執行委員会としてコロンビアに関する声明2件と、アメリカUNITE HEREが開始したホテル労働者のためのキャンペーンへの連帯決議を採択した。

 以上の報告に対する質疑が、以下の通り行なわれた。
● 会費滞納による除名が特にアジア太平洋地域に多いこと、更に、現状のままだと来年以降も相当数の組織が除名になってしまうことに対し、懸念の意見が出された。
● IUFが加盟を決めた国際NGO「インフォーマル雇用の女性:グローバル化と組織化」(WIEGO)に関する質問があり、後日JCCから情報を加盟組織に送付することとなった。
● ネスレに対するキャンペーに関しても本部にその内容を確認し、JCCから加盟組織に連絡する。
● アメリカのUNITE HEREが開始したキャンペーン「Hotel Workers Rising !」に関し、今年は同労組が定めた労働協約改定の年にも当たり、ハワイをはじめとした日系ホテルへの働きかけなど、JCCへの協力依頼が出てくるであろう事を共有した。
● 「食品の権利研究所」に関する質問が出された。これは、昨年の執行委員会で「グローバル食品政策研究所」として提案されたものであり、GMO、フェアトレード、食の安全性、土地改革など、農業に係わる多くの課題がリソース不足で充分な対応が取れていない現状に鑑み、ドナーの資金でこうした課題に対する政策を立案する研究所を設立するものである。来年の世界総会までに、農業部会を中心に検討が進められることになっている。

3. NGOとの協働
(1) NGO-労働組合国際協働フォーラム

● 4月29日のメーデー中央集会にイベントを行う。テントを設けてイベントを行うのは、HIV/AIDSグループと児童労働グループ。HIV/AIDSグループに関しては、前回運営委員会で各産別組織にお願いした通り、レッドリボン作成30個、およびメーデー当日の貼り付けをお願いする。
● 児童労働グループは、世界児童労働反対デー(6月12日)の前日に、青山の国連大学にて、児童労働の映画上映会を行う。この企画は、ILOおよび児童労働ネットワーク(CL-Net)との共催となる。
● MDGs啓発・提言グループでは、巡回セミナーを企画している。今後詳細を詰めていく。
(2) 児童労働ネットワーク(CL-Net)
● 5月15日〜6月30日の期間に、「なくそう!児童労働」キャンペーンを行う。キャンペーンの趣旨に賛同していただいた団体のイベントも含めて、期間中のイベントを広報及び支援を行う。CL-Netとしてのイベントは、5月27日(土)学習会、6月11日(日)ウォークを実施する。また、上述のように、6月11日の映画上映会を共催する。

4. 津波復興支援金に関する報告
2004年12月26日発生したインド洋津波災害への支援の一環として、JCC国際連帯基金からIUFインドネシア事務所とプーケット・ホテル労連(タイ)への緊急援助(2005年1月)、加盟組織のカンパ金を中長期の復興支援金としてIUF津波基金へ拠出した(2005年3、8月)。これらの支援金を拠出して1年が経過したことから、実際の支援金の使用状況を確認したので報告する。
● JCC国際連帯基金から拠出した緊急支援金:インドネシアでは井戸の浄化に使用されたポンプと発電機の購入などに当てられた。プーケットでは救援センターのスタッフ支援に他のドナーからの資金と共に使用された。プーケットは現段階で未だ残金があるが、現在も運営している救援センターに継続して支出する予定となっている。
● 加盟組織からのカンパ金から拠出した中長期復興のIUF基金:全体で70,739.76スイスフラン集まったが、その79.7%が日本からのカンパ金であった。現在までにアチェへの支援として9,319.51スイスフランが支出されている。今後の支出に関しては、インドネシア、タイ、スリランカの加盟組織の要請ベースで検討される。

5. 争議支援・連帯活動
● 90年代後半、モンテネグロのインベブの工場で起きたストライキによる解雇者の復職に関する2002年労使合意にも拘らず、組合委員長のみ復職できずにいる。更に、ベルギーでも労使争議が3月28日にはストライキに発展している。こうした状況を踏まえ、同社CEOにモンテネグロの組合委員長即時復職、ヨーロッパの全体の長期計画を提示して組合とリストラに関する交渉に入るよう求める抗議文を送付した(4月3日)。

6. 各組織報告
● フード連合:
3月30日に佐藤事務局長のお別れの会に大勢来て頂いた。改めて御礼申し上げる。

7. 今後の予定
● ビルマの民主化に関するシンポジウム:4月26日、総評会館
● 「国際労災犠牲者追悼日」:4月28日
● 第77回メーデー中央大会:4月29日、代々木公園
● 海外労働学校準備会:5月9日、東京八重洲ホール
● 第30回海外労働学校:5月17-28日、ジュネーブ、フランクフルト
● 児童労働ネットワーク学習会「フェアトレード」:5月27日、早稲田奉仕園
● 児童労働関連イベント(映画上映会、ウォーク):6月11日、国連大学及び渋谷周辺
● JCC三役会・第6回運営委員会:7月3日、味の素労働組合会議室

8. その他
● 4月28日の「国際労働災害犠牲者追悼日」に当たり、連合より厚生労働省と外務省に対して、HIV/エイズに関するハイレベルG8常設作業グループの設置に関する嘆願書を提出することとなり、各GUFも連合会長と連盟で記名するとの事から、JCCも畑木議長名でこの嘆願に参加することとした。

協議事項
1. IUF執行委員会のフォローアップ

 報告事項でも触れたように、今回の執行委員会ではいくつかの点で、フォローアップの議論が必要となっている。各項目に関しては、以下の通りである。
@ リソースに関して
本テーマは、持ち帰り論議となり、7月1日までに議論の結果を本部書記局に提出することとなっている。リソースは金、人、時間の3つある。2007年度には赤字予算となる状況に鑑みて、どのような解決策を講じるべきか論議した。基本的な論議は以下の通りであるが、JCCとして論議結果をまとめた物をメールで持ち回り確認を行い、7月1日の期日までにJCCの意見として本部に提出することが了承された。
● 会費収入の向上
◇ 会費の値上げに関しては、現在の会費が既にGUFの中でも最も高い水準にあること、会費支払が滞っている組織が多い現状、などを踏まえると容認できるものではなく、会費の支払率を上げる努力をするのが先決であると考える。会費を値上げすることは、会費未払い組織が増え、滞納による除名処分になる組織も増えるという悪循環の危険性もはらむものである。
◇ 未払い組織への個別の丁寧なフォローが不可欠であり、本部及び地域書記局が連携してこれに当たるべきである。これによって、未払い組織を減らすと同時に滞納による除名も減らし、財政の健全化と共にメンバーシップの強化につなげることが、組織論としても筋である。
◇ 新たな組織化による会費収入の向上に関しては、本部書記局からの提案であるサービスセクター・モデルも工業セクター・モデルも、企業内労働組合をベースとした日本にはそぐわない。また、ケータリング部門で始まっているサービスセクター・モデルの持続可能性に関しても若干疑問もある。
◇ 日本としては、加盟産別毎の組織化努力を行い、加盟組合数をアップさせていくことに努力していく。
◇ 技術的には、現在の100%、50%、25%の3段階会費システムを、75%を入れた4段階制に変更し、一部の中水準の国家経済諸国の加盟組織の負担を増やすことも、選択肢として提起する。
● ドナー組織からの資金援助の増額
◇ 収入全体の40%を超えないというIUFの原則を堅持しつつ、ドナーからの資金の更なる導入を検討する。
● 会費以外の加盟組織からの支援
◇ 会費以外の加盟組織からのリソースとして、アメリカのSEIUが資金援助するケータリングの組織化(サービスセクター・モデル)や工業セクターでの関連加盟組織による特別基金が提案されているが(工業セクター・モデル)、前述のように日本の組織実態にそぐわないことや、日本は既に地域活動基金などの負担をしており、これに上乗せの財政負担は出来ないと考える。

A 中国問題に関して
基本的に中国プログラムの活動原則が承認されたことで、今年10月の地域委員会で中国プログラムが正式に承認されることになるが、地域委員会でどのような対応をすべきか論議した。主な論議内容は以下の通りであるが、更に詳細に渡る論議が必要であることから、9月最終週頃に、地域委員会・総会対応の運営委員会を行うことを決定した。
● 中国プログラムへの修正動議
◇ 日本の加盟組織は、IUFの加盟組織であると同時に連合の加盟組織である。中華全国総工会との関係を再確認した連合の政策も踏まえる必要がある。活動原則は執行委員会で容認したが、具体的な中国プログラムの活動内容はこれから。10月の地域委員会では、JCCとしての懸念事項を明確に示すと共に、必要に応じた修正を提起すべきと考える。
● 中国プログラムへの関与
◇ 日本として、どのように関与すべきか。スタンスとしての違いを明確化して関与しないという考えから、積極的に関与していくべきという考えまでを検討した。これに関しては、積極的関与の主張から関与できないというものまで幅広い意見が出され、再度論議を行うこととした。

B ムシム・マス労働争議への資金援助
本件に関しては、個人募金を先日メールにてお願いした。組織としてはJCC国際連帯基金からの20万円相当(ユーロ建て)の拠出がJCC事務局からあり、運営委員会としてこれを了承した。尚、地域活動基金として、今年2月に住宅を強制退去させられた労働者の子ども達への教育支援金を拠出している(2,000米ドル:約22万円)。

C エジプトの加盟組織との交流
エジプトのIUF加盟組織から定期交流の申し入れがあった。日本にとってのメリットや、交流の優先順位などに考慮した論議が行われた。観光産業のエージェントを除くと、日本の関連産業の関係は比較的少ないこと、交流の優先順位としてはアジア諸国にあることなどから、基本的に日本から積極的になる要因はないが、先方の目的などを再度明確化する必要がある。また、交流した場合の経費に関しても、受入国が滞在中の経費を全て負担するという方法は問題があるので、今後の話し合いの中でこうした考えも示していく。

2. 2007年度の活動に関して
 主な行事としては、30周年記念イベント(11月27日)、地域総会(10月10-12日)、世界総会(3月19-22日)と、大きなイベントが控えており、これらのイベントを確実にこなすことが最大の課題となる。地域総会に関しては、総会後にジャカルタ又はシンガポールを中心に視察団を編成する方向で検討に入ることが了承された。一方、世界総会に関しては春闘の最中に当たるため、各産別内で視察団を編成するかどうかご議論いただき、再論議することとなった。
 その他、JCCの課題としては、情報伝達機能の強化(日本 ⇔ 本部、地域、他国)を取り上げることがJCC事務局から提案された。

以上