IUF logo; clicking here returns you to the home page.
IUF
Uniting Food, Farm and Hotel Workers World-Wide


非典型雇用の蔓延でフィリピンのネスレ労組に新たな挑戦

Posted to the IUF website 20-Apr-2006





2006年4月6日、IUF加盟のフィリピン・ネスレ労組協議会(CFNU)は労働雇用大臣、パトリシア・サント・トーマス氏に、フィリピンのネスレの職場における労働基準遵守の評価を求めて要請書を提出した。

この動きは、ネスレのカガヤン・デ・オロ工場の経営者が労組との共同評価をせずに労働基準遵守自己評価チェックリスト調査を労働雇用省に提出しようとしたために始まった。経営者は共同評価を行わなずに既に記入済みの調査票を組合にサインするよう求めたものだ。組合はこれを拒否し、経営者は労働雇用省の遵守評価手続き上の要件である三者構成手続きに従っていないと苦情を申し立てた。

労働基準遵守自己評価チェックリスト調査の重要な規定によると全ての契約業者と下請け業者の面接を行い、社会保障登録、社会保障支払い、賃金などの文書証拠を提出しなければならない。しかし、CFNU加盟労組はこういったことを見た事がない。そのために、労働雇用省の監督官にネスレの契約業者と下請け業者の法律遵守に関する検査を要請中である。

ネスレ・カガザン・デ・オロ工場労組はフィリピンネスレ協議会のメンバーであるが、2001年以来、工場における常用雇用の破壊に対して闘っている。この時組合は、ネスレのコーヒー包装業者、COFIPACの『労働力オンリー』の契約を調査するよう労働省に依頼した。組合はCOFIPACはネスカフェ製品の包装を行うコーヒー包装会社としての契約ではなく、労働派遣会社としての契約だと主張した。労働省の監督官は、この申し立てが事実であることを確認した。COFIPAC、FEDCON、SCF総合マンパワーサービスの3社はネスレに労働力オンリーの契約をしていた。ネスレは三社は独立した外部の契約業者であると主張したが、そうだとするとその会社は独自の工場、装備を持たねばならず、単に労働力を提供するのではないということになる。調査ではネスレが直接雇用する正規従業員と同じ製品を作っていることも確認された。

これらの調査結果に基づき、組合は全国労使関係委員会に苦情を申し立てたが、2005年1月までネスレは回答をしなかった。2005年7月に労働仲裁人は会社に有利な裁決を出した。会社の雇用慣行酷使の多くの証拠を集めた組合はこの案件を最高裁判所に上告することを決意した。

ネスレは、常用雇用排除を最大限にするように事業再編を続けている。これにより、経費削減と組合員数と団体交渉力の減少という2つの目標を達成している。ネスレ全体で非正規雇用の規制という見せかけで、会社の新しいガイドラインを作り、外注化と非典型化の『合法な』形式を利用する『核となる活動』と『核でない活動』の再定義を行っている。

ネスレのフィリピン・リパ工場では、3つの生産ラインの137の職位が核でない活動としてカテゴリー化される。これは現在工場の正規従業員の職にある270名の組合員の49%にあたる。全包装、特定の充填、袋詰めが核でない活動して分類され、この仕事は労働派遣会社と包装業者に下請けに出される。

これらの変化に対して闘うCFNUは、「ネスレはブランドとマーケティングから何十億も利益を上げているが、今や、包装は核となる活動ではないと発言している!」と述べた。