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フィリピンの非常事態宣言に抗議要請

04-Mar-2006





以下は、2月24日にフィリピンのアロヨ大統領が非常事態宣言を行った後にアライアンス・オブ・プログレッシブ・レーバー、労働教育リサーチネットワーク(LEARN)、グローバルネットワーク(フィリピン)から出されたアピールである。IUFはフィリピン当局に対し書簡で非常事態宣言の即時解除を求めた。このアピールをできる限り広範囲に広げるよう奨励する。

20年後にいかにアロヨはピープル・パワーの精神を殺したのか

友人、同僚、仲間である皆さんへ、

フィリピンのピープル・パワー革命20周年前日の2006年2月24日の早朝に、グロリア・マカパガルーアロヨ大統領はフィリピン全土に非常事態の宣言を行った。アロヨは軍部、野党、共産党の反逆者が政府を倒そうとする陰謀があると主張し、布告1017により非常事態を宣言した。

この宣言は政府当局と軍部に、1986年のピープル・パワー革命を記念して行われた昨日の民間デモを乱暴に解散させる口実となった。非常事態が宣言されてから24時間以内に、警察と軍部が、デモ参加者、組合活動家、政治活動家、野党政治家の逮捕状なしの逮捕を行った。政府反対派の新聞社も捜査状なしに強制捜査を受け、接取の認可を説明する文書もないままにこの新聞社はフィリピン国家警察によって接取された。アロヨは非常事態を宣言して、これは大統領にメディア企業を含む公共事業を接取する力を与え、軍部に逮捕状なしに逮捕する権限を与え、彼女が公の利益にとって危険と見なす野党指導者を拘留する権利を与えるものだと主張した。

しかし、人権を扱う弁護士の様々な意見と分析は、この宣言は根拠が無く、憲法違反であるというものだ。国家非常事態において、国家が無法な暴力、侵略、謀反の状態になければ大統領に追加の権力を与えるものではない。現在明らかにこのような状態にはなく、従って、この宣言には合法性がない。アロヨの宣言は人々の基本的な政治の権利を奪い、表現と意見の相違の自由を抑圧することで民主主義の脅威を強調するだけのものである。状況が悪化する前に、我々はアロヨに非常事態宣言の解除と、逮捕状なしの政治反対派の逮捕をやめるように求める。


さらに、軍部と共謀して政府は一般命令5号、すなわち軍部と警察に無法状態の鎮圧、平和と秩序の回復のための指令を出した。しかし、政府役人と軍部は、この命令により全ての政治集会と公共デモが非合法になったと解釈している。皮肉なことに、マルコス独裁政権の際、これに類似した一般命令5号が出され、平和な公共集会やデモを非合法と宣言した。独裁政権時に政府が正当でない政治生命を長引かすために人々の民主権を殺すためにあらゆる抑圧手段を使ったが、アロヨの政治指令はマルコスのものと類似している。

組合権と民主主義の闘争における我々のパートナー、仲間として、アロヨ政府が非常事態を宣言したことを我々と共に非難していただきたい。特に貴国の政府に対してアロヨ大統領の宣言を支持しないように政治的な圧力をかけていただきたい。我々はまた、フィリピン政府に非常事態宣言を解除するように求めることで民主主義の支援を表明するよう要請する。フィリピンだけでなく世界のいたるところで民主主義と労働組合権の闘いを支援してほしい。