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ムシム・マスの6名を釈放せよ!国際連帯要請

22-Feb-2006





2月3日金曜日にバンキナン州裁判所(インドネシア、スマトラ島リァウ州)で、昨年パララワンのムシム・マス・パーム油農園と製油工場で起こったストライキとデモに派生する罪で裁判にかけられていた5名の労働組合活動家に有罪が宣告され、判決が言い渡された。SP KAHUTINDO PTムシム・マス労組委員長ロビン・キムビとKAHUTINDOリアゥ州地域書記マスリ・セバヤンには懲役2年、組合幹部のスヤマン、サフルディン、アケン・ペーンにはそれぞれ1年2ヶ月の懲役が言い渡された。6人目の組合幹部、スルハス・トオは後でストライキとデモに関連する罪で逮捕されたが、同様の罪状で裁判を待っている。

徐々にその度を増すPTムシム・マスによる一連の基本的権利のはなはだしい侵害は、5名の組合指導者に有罪判決が下った時、絶頂に達した。(詳細情報はここをクリック)KAHUTINDO PTムシム・マスは、合法に登録された組合で、2000名の従業員中1183名を代表するにもかかわらず、会社は組合の承認、KAHUTINDOとの交渉、インドネシアの法律要件である農園労働者の最低法律基準の実施を体系的に拒否してきた。その代わりに、会社は組合役員を解雇し、一挙に701名の組合員の首を切り、300名の組織化された契約労働者の契約更新を拒否し、700名の労働者とその家族を農園社宅から強制的に立ち退かせ、子供たちを学校から追放した。組合をつぶすために、最後に会社は主な組合役員の逮捕と有罪確定のお膳立てを行った。組合役員は交渉を始めるために製油所事務所に招き入れられ、会社管理職の目の前で地元の警察に逮捕された。

検察は5名の組合指導者と1000名の労働者がゲートを押し倒し、そのために2名が軽い怪我を負ったと申し立てた。検察の申し立てには5名の組合指導者の行動だけでゲートがレールから外れて倒されたとは一度も述べられていない。フェンスを倒した行動で、1000名全員を逮捕、起訴せずに、警察と検察は6名の組合指導者個人に責任を取らせた。彼らは組合活動と組合指導者としての役割のために告発され、判決を受けた。
ムシム・マスの6名は良心の囚人

グローバルキャンペーンに数多くの抗議メッセージが緊急に必要だ。

ムシム・マスの6名の即時無条件釈放を求め、インドネシア政府にメッセージを送るにはここをクリック

あなたのメッセージは自動的にムシム・マスの組合、会社、そしてムシム・マスが有力な会員である持続可能なパーム油円卓会議に送られる。

パーム油チェーン

パーム油は赤道近辺の狭い帯域に実る熱帯アブラヤシの実から抽出される食用植物油である。ヘクタール当たりのアブラヤシの食用油収穫高が高いことから急速にインドネシアの栽培地帯が拡張された。インドネシアとマレーシアの2国で世界の生産を支配している。

広く、料理用油として使われ、精製されたパーム油はまた加工食品、石鹸・洗剤、パーソナルケア製品の世界的な生産に使われる一般的な原料である。また、金属、プラスティック、ゴム、繊維、塗料、紙、電子部品にも広く使用されている。パーム原油は精製、漂白、脱臭されてスナック食品産業の依存する産業用揚げ油や、マーガリン、ショートニング、チョコレート、菓子、アイスクリーム、コンデンスミルクや石鹸、洗剤の一般的な原料となる。この油はさらに加工されて加工食品チェーン全体で使用される液状のパームオレイン、固形状のパームステアリン、特殊油脂化学物質となる。調合飼料ではパーム油製品は一般的な原料で、バイオ燃料にも使われ始めている。スーパーマーケットの棚でパーム油を使用していない商品を探しだすのは困難だろう。

世界のパーム油消費が過去10年間で約75%伸び、その成長は今も続いている。その結果、パーム油は大豆油に次ぎ2番目に多く消費される食用油となった。欧州連合では過去10年間でパーム油の消費が約2倍になったが、これは世界のパーム油消費の13%にあたり、他の先進国や先進地域と比べると格段に多く使われている。オランダがインドネシアパーム油の最大市場で、ロッテルダム港がこの保管、流通の最大の拠点である。欧州連合で使われるパーム油のほとんどが輸出用に加工されたものだ。北米では、加工食品製造業者に脂肪分を減らすように圧力がかかっており、脂肪分の高い硬化植物油の代替品としてパーム油が奨励されているために、その使用が大きく伸びるだろう。

インドネシアとマレーシアの両国で世界のパーム油輸出のほとんど90%を占める。2国のうち、インドネシアは過去10年間でさらに活発に生産するようになった。ムシム・マス1社でインドネシアのパーム原油と精製パーム油輸出の20%を生産している。(同社はまた、食用パーム油の最大製造業者である)メダンにあるこのパーム油精製所と油脂化学工場は世界最大で、現在野心的な拡張計画を実施している。メダンからタンカーが油をアジアとヨーロッパのトレーダー、加工業者のグローバルなネットワークに運ぶ。そしてここで加工され、さらに陸上で、水上で、この油に依存する様々な商品製造を行う、あるいはこれを市場に出す会社に送られる。インドネシアのパーム油の一部はマレーシアに輸出され、マレーシアのパーム油と混ぜ合わされ、マレーシア製品として市場に出されるためにサプライチェーンはあいまいだ。ほとんどの会社がカーギルやADMのような巨大なトレーダー・加工業者から購入する。欧州の主要な食品会社、ユニリバー、ヘンケル、スイスのミグロは直接インドネシアの製造業者からパーム油を調達している。欧州連合の精油・包装会社の主な会社はADM, Bunge, カーギル、ユニリバーである。

パーム油を購入し、使用する会社のうち重要なものは以下の通り。
Aarhus United (英国、 Aarhus デンマークがオーナー), BIOX (オランダ), キャドバリーシュウェプス (英国)、 カーギル BV(オランダ、Cargill グループ), Cloetta Fazer (スウェーデン), CSM (オランダ),Cognis (ドイツ), Danisco (デンマーク), Ferrero (イタリー), 不二製油 (ベルギー), Goodman Fielder (オーストラリア), Karlshamns (スウェーデン), KOG Edible Oils BV (オランダ, Kuok グループ), Lipidos Santiga (スペイン), Matthews Foods (UK), 三菱商事 (日本)、 Nutriswiss (スイス)、 Walter Rau (ドイツ), Safic-Alcan (フランス), Santa Maria (スウェーデン), Spychiger Oil Trading Ltd. (スイス) ユニリバー (オランダ/英国)

上記の全ての会社と小売業者の Asda (英国), Boots (英国), the Body Shop (英国) Coop (スイス), Co-operative Group (英国) 、 Migros (スイス) はThe Roundtable on Sustainable Palm Oil(持続可能なパーム油円卓会議:RSPO)の会員である 。

持続可能なパーム油マーケティング: RSPO

RSPOは、2004年にサプライチェーン全体のあらゆる利害関係者を公正に代表する統治機構を持つ『複数利害関係者の組織』として設立された。その目的は、『サプライチェーンの協力で持続可能なパーム油生産およびその使用を促進し、利害関係者との対話を開始する』というものである。組織はスイスで登録され、事務局はマレーシア、クアラルンプールにある。RSPOの会長はユニリバーのJan Kees Visである。上記に記したパーム油製造業者、加工業者、トレーダー、製造業者、小売業者に加えRSOPの会員は環境団体のWWF(インドネシア、マレーシア、スイス)英国とオランダのOxfamである。

第3回のRSPO会議が2005年11月22−23日に開催された。RSPO事務局長アンドリュー・ウンによると、「第2回総会における持続可能なパーム油生産のための原則と基準のパブリック・プレゼンテーション、これに続くRSPOのメンバーによるこの原則と基準の採択は、世界は今や持続可能性を計り、利害関係者の要求を満たし、パーム油産業における持続可能性を示す信頼できる実践的なツールを持つということを意味する」ということだった、それから1日もたたないうちに、この信頼できる実践的なツールは試され、その結果は不合格だった。

11月24日にRSPO理事会が開かれた。議題の第一項目は、IFBWW(現在はBWI、建設・林業労組の国際連合)によるペララワンのPTムシム・マスの重大な人権侵害に関する申し立てにいかに対応するかというものだった。

3名のムシム・マスの代表が理事会に出席していた。組織立てて対立の歴史を変造し、農園労働者、製油工場労働者、組合、そしてその国際的支援者を侮辱しばかにしたパワーポイントのプレゼンテーションを武器にして、ムシム・マスは地元警察が勝手に労働者の指導者を逮捕したと主張した。しかし、事実は、組合役員は警察官が待ち構えている会社事務所に交渉会議だとだまされて、連れ込まれたのだった。(ムシム・マスのプレゼンテーションの組織立った論駁はここをクリック。pdfフォーマット、英語のみ)。組合役員の解雇、701名の組合員の大量解雇、ストライキ参加者への暴行、6名の組合役員の逮捕、今では組合代表としての義務を果たそうとしたために5名に懲役14ヶ月から2年の判決が下り、最後の一人も同様の告訴がされているが、このはなはだしい労働組合権の侵害は、真剣な調査をするに足らないかあるいは社会的に役立つパーム油生産方法を促進する円卓会議の権限に簡単に入るものだとらくらくとRSPO理事会を説得した。会社の代表あるいはNGOの代表で会社のプレゼンの正確さを疑うものはいなかった。情報をもっと求めさえもしなかった。労働者がストライキを行った理由を尋ねられて、ムシム・マスの組合指導者は労働者に大きな金額を約束していたからだと答えた。インドネシアのNGOの代表は、争議に関する十分な情報が欠けていたにもかかわらず、会社は『法律に従って行動した』と意見と述べた。Aarhus Unitedのイアン・マッキントッシュは、『活発すぎる関与』』を警告し、『すべての側に同情を』と助言した。この討議はWWFがIFBWWに両者とも適正な法律手段を通じて事を進めていると回答すべきということで結論づけられた。そして理事会は議題の次の項目に移った。

一般的にうわべだけの会社の社会責任遂行の基準に従っても、この円卓会議は特に中身が欠けている。ムシム・マスグループは2005年9月30日に2ページのRSPO年次進展報告を提出して、12ヶ月間に社会的あるいは環境的問題が発生したか?という質問の答えを空欄のままにしている。RSPOはその会員に対し、従業員が組合を組織する際の従業員の大量解雇、告訴、勾留を報告するように求めていないが、少なくともこれらの慣行は会社がRSPOの持続可能なパーム油のために基準と原則を遵守しているかどうか深刻な疑問を呼ぶものだ。

パーム油チェーンは、ペララワンのPTムシム・マスの農園労働者のような農園労働者によって支えられている。しかし、ここの組合役員は今刑務所に入れられている。RSPOは、チェーンを補強する会社の残忍性の『責任ある』、『持続可能な』、『社会に役立つ』覆いである。