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2006年度第1回運営委員会議事録(2005/11/07)

08-Nov-2005





味の素労働組合会議室で行われた標記委員会の報告を下記の通り致します。
(日 時)2005年11月7日(月) 15:00−16:45
(出席者)畑木、長島、(フード連合)、石田、中野(UIゼンセン同盟)、小川、(全国農団労)、
伊勢(サービス連合)、見里、高田(JCC事務局)、合計8名(敬称略)

報告事項
1. TWTG総会報告

 7年ぶりにタバコ部会(TWTG)総会が10月13-14日、ロシアのサンクトペテルブルグで開催され、フード連合から全たばこ労組の畑木委員長(フード連合副会長、JCC議長)、金書記長(フード連合中執)、時津中執が、JCCから見里が出席した。ビザ取得の問題で、数カ国の代表が出席を予定していたにも拘らず、欠席となった。東欧および旧CIS諸国では、欧米諸国と違い喫煙規制がほとんど無く、タバコ事業自体が伸びていることから、当地での開催となったが、総会のような多くの参加者が出席するような会議は、入国が容易な国で行うことが望ましい。
総会議長は、TWTG第1副議長の畑木委員長が務めた(議長および第2副議長は空席)。主な論議のポイントは以下の通り。
● 部会の委員会メンバー構成を、従来の地域をベースとした選出方法から、多国籍企業をベースとした選出方法に変える改革案が書記局から提案された。少数の企業に集約されたタバコ産業の状況を考慮して、より実質的な論議に結びつけるのが主旨であったが、唐突な提案であったため、組織内での論議が出来ておらず、次回IUF世界総会までに結論を出すこととなった。
● TWTG新委員会メンバーを選出した。アジアからは、正委員として」フード連合全たばこ労組の金書記長が、第1代理委員としてマレーシアのBATEUガネサン・マーティ書記長が就任した。第2代理に関しては空席となり、後日地域で選出して連絡することとなった。TWTG議長にデンマークのエルナ・ランゲ氏、第1副議長にスペインのアントニオ・ペリアネス・ペドレロ氏、第2副議長に全たばこ労組金書記長が就任した。
● 総会初日の午前中はJTIペトロ工場を、総会出席者全員で見学した。
● 総会翌日は、JTIグループの初めての会合を行った。食品関連産業で、日本を本拠地とする多国籍企業で、2カ国を超える労働組合が集まって会合を開くのは初めてである。会議では、JTおよびJTIグループ労組間での情報交換など、連携を密に行うことを確認した。

2. 北東アジア小地域母性保護ワークショップ
2003年度A/P女性委員会で開催が決まった、各小地域ごとの母性保護ワークショップの北東アジア(韓国、香港、モンゴル、日本、台湾)ワークショップが、10月30日〜11月1日に韓国のソウルで開催された(台湾に関してはオブ参加)。日本からの出席は、フード連合から岡野組織局・男女平等局担当、全日本ハム労組西田副委員長、名糖産業労組中川書記長、木村屋総本店労組赤羽根中執、UIゼンセン同盟から中野国際局部長、田嶋中執、JCC事務局から高田が出席した。
● リソースパーソンとして、ILO堀内駐日代表から、ILO第183号条約の概要を中心に、レクチャーしていただいた。
● 各国の女性保護に関する法令などの報告を受け、条約と対比させながら、休暇期間、現金給付金、医療手当てなど7項目の各国比較リストを作成した。
● 現場の実情の意見交換をした後、具体的な行動に関する討議を行った。その中で、同日・同時刻での統一行動を行う提起がされたが、各組織で持ち帰って検討することとなった。
● ILO第183号条約の批准に関して、各国の課題が明確になった。また、法律で権利として保障されていても、その権利を行使しにくい職場の環境など、職場レベルで改善しなくてはいけない課題が多々あることも明らかになった。
● 2日間の会議の翌日、労働基本権が認められていない非正規労働者による、基本権を求めた国会議事堂前の座り込み行動を訪問し、状況説明を聞くと共に、激励した。その後、韓国の労働運動の歴史のドキュメンタリー・フィルムを作成しているNGOを訪問した。

統一行動の共同キャンペーンに関しては、今後検討されることになるが、日本における共同キャンペーンへの取り組みに関して論議した。
● UIゼンセン同盟は、男女平等など幅広く女性の課題について取り組んでおり、母性保護に限定したキャンペーンへの参加は難しい。
● ILO第183号条約の批准に照準を当てるのであれば、JCC加盟の産別レベルで行動するのではなく、連合として優先課題に挙げてもらい、ナショナルセンターレベルの取り組みにすべきである。
● 他国では統一行動に前向きであり、フード連合でも大掛かりなキャンペーンの実施は難しいが、何らかの参加を前向きに検討したいとの参加者からのコメントもあった。
● 後逸行動への参加に関しては、JCC事務局から具体的な提案を確認したうえで、再度運営委員会に諮る事とする。

3. NGOとの協働
(1) NGO-労働組合国際協働フォーラム

● 10月22日、都立駒込病院で行われたエイズ&ソサエティ研究会で、JCC見里が国際協働フォーラムのHIV/AIDS等感染症グループの取り組みに関する発表を行った。
● 10月27日、京王プラザ・ホテルで行われたICEM-A/Pセミナーで、JCC見里がHIV/AIDSの職場啓発パンフレット作成の取り組みについて発表した。
(2) 児童労働ネットワーク(CL-Net)
● 10月29日、CL-Netの総会が味の素労組会議室で開催された。2ヶ月に1回の学習会の実施や、6月12日の「世界児童労働反対デー」での活動などを決議した

4. 争議支援・連帯活動
● インドネシア独立砂糖労働組合連合(FSPM-TG)に対する組合つぶし行為により、同労連会長が解雇されたことに対し、組合への嫌がらせ行為の即時停止と会長の復職を求めた抗議文を、砂糖キビ農園経営者、ライバル組合、地元政府に送付(10月17日)。
フード連合糖業部会でも、同争議の支援活動を実施したいとの希望があるため、フード連合とJCC事務局で具体的な行動を調整する。
● カナダのアルバータ州で、移民労働者が中心である精肉業界のタイソン・フーズの屠場で、労働協約のためのストライキが発生。これに対し人種差別的な言葉や暴力による攻撃が加えられていることに関し、州政府任命の争議解決委員会の仲裁を受け入れ、公正な労働協約交渉に入るよう求める抗議文を、現地経営者に送付(10月20日)。
● ドイツにおいて、産別レベル交渉の労働協約において、ゲート・グルメ社が企業レベルでの労働条件切り下げを提案してきたことに講義するNGG労働者90名のピケを支援するための連帯分を送付(10月24日)。

5. 各組織報告
● フード連合:全たばこ労組と定期交流している韓国人参タバコ労組の来日が、来年の1月に予定されている。

6. 今後の予定
● IUF三役会:2005年11月10-11日、ジュネーブ、JCC見里
● パキスタン食品飲料タバコ労連結成大会:11月20-21日、カラチ、JCC見里
● HRCT三役会:11月24日、ローマ、サービス連合秋山副会長、JCC見里
● HRCT委員会:11月25-26日、ローマ、サービス連合秋山副会長、JCC見里
● 児童労働ネットワーク学習会:11月28日、UIゼンセン会館7階ラウンジ
● JCC三役会・第2回運営委員会:12月14日、味の素労働組合会議室

7. パキスタン大震災に関して
10月8日に発生したパキスタン北部の大震災は、未曾有の被害を出し、現在も国際的な復興際業が続いている。IUF本部、A/P、JCCの対応について、以下のように整理する。
● IUF本部およびアジア太平洋地域組織の考え
IUFは人道支援を行う組織ではないので、今回も従来同様、特に支援活動を行わない。
● JCCとして
基本的にはIUF加盟組織が被災した場合、当該組織を対象とした緊急支援を行ってきた。例として、昨年のインド洋津波災害の時には、直接の被災組織の復興支援(プーケット)と、IUF加盟組織が実施した現地労働者の救援活動(インドネシア事務所)への支援金を国際連帯基金から拠出した他、これらの地域とスリランカやマレーシアを加えたIUF加盟組織の中長期的な復興活動のための資金として、IUF本部の津波基金にカンパ金を送った。
しかし、今回の場合は直接の加盟組織は無い。また、カラチのアウトリーチ事務所に問い合わせたところ、被災地には小規模なホテルやレストランはあるものの、アウトリーチ・プロジェクトの組織化対象にもなっていない小規模のものであることから、JCCの組織として支援活動することには無理があると判断する。JCCとしての独自の今回救援金拠出をはじめとした支援活動は行わないが、連合がICFTU-APROを通じた支援を行っているので、連合の支援活動に参加するよう呼びかける。

8. その他
● 第3回IUF/コカコーラ協議会報告書の配布。前回拡大運営委員会にて、口頭による報告を受けたので、今回は書面での報告のみとする。
● 次回、IUF/コカ・コーラ協議会は、2月27-28日にアトランタで開催される。日本からの参加者に関しては、フード連合とUIゼンセン同盟の2組織間で調整する。
● シンポジウム「社会的責任(CSR)の行動課題としての感染症」報告書の配布。各組織1部


協議事項
1. IUF三役会に向けて

 11月10-11日に開催されるIUF三役会で論議される予定のテーマで、以下の点に関して、JCC内で課題の共有をした。

(1) IUFおよびそのメンバーシップが直面する主要な課題
◇ 2005年度執行委員会で議論され、IUFの活動の優先課題として、@加盟組織の組織化を支援する国際的活動と政策、A労働条件向上のための団体交渉能力強化を支援する国際的活動と戦略。
◇ 執行委員会での議論の結果、a) 本部書記局の要員配置の変更、b) ケータリング分野の同盟構築、c) 主要ホテル・チェーンの組織化の可能性特定 d) グローバル・コカ・コーラ・ネスレ・プロジェクトの活動、e) プロジェクト活動と平等活動のリンケージによる組織化および労働条件向上、などの活動を実施してきた。
◇ 三役会は、執行委員会のフォローアップとして、@執行委員会の成果の評価、A上記2分野の優先課題を今後も支持するか、B上記具体的成果以外の活動の提案、等を論議する。

(2) 多国籍企業活動における国際枠組協約(IFAまたはGFA)の見直しに関して
◇ 国際枠組協約(GFA)の締結がGUFの活動の潮流となっているが、実際にこれによって組織化が進んだり、問題が解決しているか、批判的に見直す必要がある。
◇ 上記の問いかけの答えが「YES」の場合、加盟組合が積極的にこれらGFAを利用していることを意味する。
◇ 答えはしばしば「NO」であるが、その理由として考えられるのは、@加盟組合が充分にGFAを活用していないため(a. GFAが強制力を持っていない、b. 文言が一般的過ぎる、c. GFA締結のプロセスが加盟組織にとって明確になっていない)、AGFAが効力を持つために必要なモニタリング、継続的なプレゼンス、積極的な実施、などにおいてIUFが能力を持っていないため、B企業の自主的CSRイニシアティブ(企業行動規範など)との違いがあいまいで、GFAが無視されてしまうなどである。
◇ GFAは国際レベルでの労働組合や労働者の基本的権利の認知には効果があるが、実際の組織化において充分な成果を挙げているとはいえない。「組合を結成する権利や加盟する権利を持つ」ということから、「実際に組合員を増加させる」事に目標を定めるべきである。
◇ より具体的な組合強化につながる文言を盛り込んだ「グローバル組合認証協定(Global Union Recognition Agreements:GURA)」を今後交渉していく提案を論議する。まず、書記局がモデル協定を作製する。既存のGFAに関しても、これらの観点で再交渉していく。
◇ JCCとして、現在IUFが多国籍企業と締結しているGFAを比較分析し、加盟組織に情報提供した上で、来年4月の執行委員会までに運営委員会で再度議論する。

(3) グローバル食品サービス労働者連盟に関して(ケータリング部門の組織化対応)
◇ HRCT部会および2005年度執行委員会で支持された、世界3大ケータリング会社(アラマーク、コンパス、ソデッソ)の組織化を目標とした「グローバル食品サービス労働者同盟(Global Food Service Workers’ Alliance:GFSWA)が2005年9月に正式にスタートした。
◇ NGG(ドイツ)、T&G(英国)、SIPTU(アイルランド)、LHMU(オーストラリア)、NUPGE(カナダ)、UNITE HERE(北米)、SEIU(北米)の7組織が現在GFSWAに参加している。これらの組織は、GFSWAを通じて増加した組合員から徴収する組合費の20%を、GFSWAに支払うことを約束する協定に署名した。
◇ 三役会では、GFSWAのスタートから2-3ヶ月の実績に関する報告を受ける。今年7月にSEIUが来日し、ケータリング部門をはじめとした組織化に関する情報交換を行ったが、今後、GFSWAの動きに日本も影響を受ける可能性があり、注目していく必要がある。

(4) タバコ部会の委員会の解散もしくは改編に関して
◇ TWTG総会で議論された、地域基準で選出した委員会構成を、主要多国籍企業毎の選出に変えるという提案が、TWTG総会で合意されたと報告されている。これは誤りであり、正確には賛否双方の議論があり、新委員会メンバーで次回IUF世界総会までに議論してまとめることとなっている。間違いを指摘する。

(5) 中国プロジェクトに関して
◇ 9月に香港で開催された地域総会で「中国プロジェクト」が開始されたと報告されているが、これも誤りである。間違いを指摘するとともに、プロジェクト提案に付随する活動原則を、来年度執行委員会で取り上げて議論するよう要請する。中国問題は、日本の関係するデリケートな問題であり、慎重な対応が必要である。

(6) カカオ栽培における児童労働撲滅を目的とした、国際ココア・イニシアティブ(ICI)財団の見直しに関して
◇ タバコ栽培における児童労働撲滅(ECLT)財団が、比較的順調に活動を続けているのに対し、ICI財団は産業側(企業および業界団体)からのコミットメントが限られていること、更にはこれら産業側がICI財団とは別に世界ココア財団(WCF)を結成し、ICI財団を軽視している。こうした産業側の態度により、ICI財団は当初のコミットメントにも拘らず、充分な活動が出来ていない。
◇ IUFは、現段階でICI財団から抜けることは考えないが、産業側に圧力をかけると同時に、IUF書記長が務めるICI財団の協同理事長および理事会メンバー双方の役割を見直す。
◇ 現在、日本でもフード連合菓子部会を中心に、ICI財団参加を目標に業界団体への働きかけを始めており、ICI財団を取り巻く一連の動きは、こうした活動にも影響するので、注意深く見守る必要がある。


2. IUF-A/P地域総会(2006年10月)、IUF世界総会(2007年3月)対応について
(1) A/P地域委員会および関連会議日程:バリ
2006年10月9日(月) 終日 女性委員会
午後 地域委員会
2006年10月10日(火) 終日 地域総会
2006年10月11日(水) 終日 地域総会
2006年10月12日(木) 終日 地域総会

(2) 世界総会および関連会議日程:ジュネーブ
2007年3月17日(土) 09:30〜17:00 女性会議(総会の女性代議員対象)
2007年3月18日(日) 09:30〜17:00 女性会議(総会の女性代議員対象)
2007年3月18日(日) 09:30〜17:30 三役会
2007年3月19日(月) 09:30〜13:00 執行委員会
         15:00〜17:00 総会−開会式
2007年3月20日(火) 09:30〜17:00 総会−本会議
2007年3月21日(水) 09:30〜17:00 総会−本会議
2007年3月22日(木) 09:30〜17:00 総会−本会議
2007年3月23日(金) 09:30〜12:30 HRCT部会委員会
         14:30〜17:30 AWTG部会委員会

日本加盟組織の代議員数
組織名   加盟登録人員(2005年10月現在) 代議員数(カッコ内は女性)
フード連合 94,000人           7人(3人)
UIゼンセン同盟 50,000人           5人(2人)
全国農団労 15,000人           3人(1人)
サービス連合 11,000人 3          人(1人)

課題
◇ 日程の確認:世界総会が日本の春闘時期にぶつかる事の懸念を、本部に伝える。
◇ 場所の確認:バリに関しては、テロの心配がある。日本として懸念を地域書記局に伝える。
◇ 代議員数の確認
◇ 女性枠の確認 (4割を切らない):従来日本の組織からの助成の参加が少ないので、約1年間掛けて、女性代議員の確保のための各組織の調整をお願いする。


. 今後のJCC勉強会について
今後の勉強会で予定している勉強会テーマは、以下の通り。
1) UNIの中国での活動事例:第4回運営委員会(2006年3月27日)、4月の執行委員会の直前であり、事前論議に反映させられるような工夫をする。
2) 食品安全に関するISO22000について:第2回運営委員会(12月14日)
3) フェア・トレードの認証表示の世界と日本の状況:未定(第3回運営委員会で実施の方向で検討する)
2006年7月に予定しているJCCセミナーのテーマに関しては、次回の運営委員会までに各組織で検討して提案していただきたい。