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Uniting Food, Farm and Hotel Workers World-Wide


ILO/FAO/IUF報告書、農村労働者の惨状を浮き彫りに、

Posted to the IUF website 10-Oct-2005



農業労働者と持続可能な開発に対する彼らの貢献

俸給農業労働者の数は約4億5千万で、世界最大の職業別労働人口だが、新しく出された報告書によると、この多くが貧困と飢餓に苦しんでいる。

食糧農業機関(FAO)と国際労働機関(ILO)とIUFの合同報告書によると、総計約11億の農業人口の中で、俸給労働者は約40%に上る。

報告書は、「約40%以上の労働者が不安定な雇用、劣悪な労働条件、貧困生活に苦しむ一方で、農業は持続可能でありえない」と述べている。経済上の圧力ーが、賃金水準、雇用安定、安全衛生、環境基準、社会保護という面で、農業労働者の既に低い水準をさらに悪化させていると報告書は述べる。農業における児童労働の使用が特に懸念される。

不十分な賃金、女性の増加

土地を所有せず、また小作農でもなく、使用する道具や備品を持たない農業労働者は、往々にしてその賃金が不十分で、産業労働者よりもっと賃金が安い。これらの労働者の何百万人もが、貧困線以下で生活し、十分な食糧を購入することができない。一般に、労働者所帯では現金収入の70%以上を食糧に費やしている。

彼らの雇用はおうおうにして不安定で、臨時のものだ、と報告書は述べている。グローバル化のために、ますます常用労働が減少し、「中間業者」労働契約者、下請け業者の増加と共に、柔軟かつ主流から外された労働者が増えた。

農業労働人口が全体として減少している中で、小規模農家はますます土地離れを起こし、世界のほとんどの地域で俸給農業労働者が増加している。新しい仕事は通常、切花と野菜の栽培と包装という輸出向けの農業である。女性の俸給労働者の数が急速に増えている。彼女らは俸給労働者の約20−30%を占め、賃金は常に男性より安い。

職場の危険

農業は、鉱山業と建設業に並んで最も危険な産業のひとつである。職場での危険は例えば、危険な機械、家畜から伝染する病気、有毒な農薬の暴露などである。毎年およそ35万5千件の労災死亡案件がある。この半分が農業で起こっている。死亡したり、怪我をしたり、病気になったりした者の多くは女性と子供である。

世界のいたるところで、農業労働者は基本的な人権を否定されている。つまり、結社の自由の権利、組織化と使用者との団体交渉の権利である。農村労働者は他の部門の労働者よりもっと強制労働に使用されることが多い。

エイズは世界のいたるとことで農業労働者に猛威を振るっている。エイズにより1985年以降、最も打撃を受けたアフリカ25ヶ国で700万の農業労働者が死亡し、最も影響を受けたアフリカ諸国で過去20年以内に農業労働人口の25%を失った。

児童労働

世界では推定2億4千600万の子供たちが学校に通うが、1億7千万(70%)以上が農業に雇用されている。毎年2万2千名の子供たちが労災で死亡しているが、この多くが農業である。

子供たちは、両親が家族を養うだけ、あるいは子供たちを学校にやるのに十分に稼いでいないために安い労働力として働く。農業部門の子供たちは1日10時間働き、その稼ぎは1日1ドルにもならない。

条件の向上

報告書は、持続可能な農業、農村開発、世界の食糧確保のために農業労働者が重要な役割を果たすにもかかわらず、政府、開発機関、科学・研究機関、農業銀行、貸付機関、市民社会機関が、しばしば彼らの絶望的な状況を無視していると批判している。

この調査は俸給農業労働者と彼らの労働組合の農村開発と持続可能な農業に対する貢献を強調し、どのように生活、労働条件が向上しうるかを提案している。

報告書は、農業における公平かつディーセントワークの条件のために議題を開発し、促進することを呼びかけている。ILOの労働における基本的原則と権利の宣言の適用を支持し、FAOやその他の機関は俸給農業労働者を農家とは異なるグループとして認識し、彼らと彼らの組合に協力すべきである。農業労働者とその組合は、持続可能な農業を促進する上でより大きな役割を果たすことを可能にするようにより強力な政治的、技術的、財政的援助を受けるべきである。貧困削減戦略は、農村の雇用機会創出と農村地域の労働条件向上に焦点をあてるべきである。

農業労働者と持続可能な農業と農村開発に対する彼らの貢献−報告書は現在は英語のみだが、他の言語にも翻訳される予定である。

報告書の全文(英語のみ)を読むには. ここをクリック