IUF logo; clicking here returns you to the home page.
IUL



組合つぶしにストップを! インドネシア砂糖労働者連合を護れ!

06-Aug-2005



photo



8月1日から、インドネシアで最大のサトウキビ精製工場、PTグヌン・マドゥ・プランテーションのジャカルタ事務所前で独立砂糖労働者連合の組合員がデモを行っている。彼らの野営地にIUF加盟のホテル観光労連の組合員が加わり、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの5つの都市では、IUF加盟組合がこれを支援している。(下記のニュース記事参照)

1998年の軍部独裁主義の崩壊以来、インドネシア砂糖労働者は1965年以後強制されたスハルト時代の御用組合の支配から開放されようと着実に努力してきた。IUFは砂糖部門の独立労組結成の過程に深く係わってきた。今年2月に、民間と国営の精製工場、農園、砂糖蒸留所の24のローカル労組がいっしょになり、14000名の労働者を代表する新しい労連を結成した。この労連は国際ではIUF加盟を決議した(本加盟は4月にIUFが承認した)そして、経営者と政府は即座に容赦のない対応をした。

2月のFSPM・TG結成大会で、ダウド・スカムトが労連会長に、レジミン(多くのインドネシア人のように名前はひとつだけ)が書記長に選出された。ダウドはインドネシア最大のサトウキビ農場・精製工場コンプレックスであるスマトラ、中央ランパンのグヌン・マドゥ・プランテーションで働いている。ここでは繁忙期には13000名近い労働者を雇用する。グヌン・マドゥは、ロバート・クオックの香港ベースのクオック投資グループが45%所有し、残りはスハルト一族とその郎党たちが支配する2つの会社の所有である。今年3月まで、ダウドはグヌン・マドゥのローカル労組の会長を務めていた。

3月14日に、ローカル労組大会で独立性を確実にするために、SPSIを脱退すると発表したダウドは、その組合役員の地位をSPSIの地域役員によって停止させられた。一週間後に彼は職場でも停職となった。使用者、御用組合、政府の三者共謀の典型的な例である。

インドネシアの組合をつぶすためには政府の支持が必要である。というのは使用者は労働者を解雇するために正式な許可を要請しなければならないからである。グヌン・マドゥ・プランテーションの経営者は組合を弱体化するためにダウドの解雇を望んでいた。SPSIは、独立労組は労働規律の執行者としてのSPSIの役割を奪うので、ダウドを解雇したかった。そして、政府は組合の独立性を恐れ、またインドネシア政府自身がPTPN農業コンプレックスの一部をなすいくつもの砂糖農園や精製工場のオーナーであるためダウドを解雇したかったのだ。

ダウドの解雇は、三者構成の争議解決委員会ではあるが、労働代表は御用組合の代表しかいないランパンP4Dで6月21日に支持された。P4Dは、ダウドは1月にグヌン・マドゥ労働者の年2回の賃上げ提案の拒否をアドバイスすることで重大な過失を犯したとして6月末で解雇されるべしと裁量を下した。P4Dは同国の憲法裁判所がこれらの理由に基づく解雇を許可する法律は憲法に違反しており、改正が必要だという判決を無視している。また、農園の労働者がほとんど全員一致で賃上げを不適当だと拒否して、組合からの特別の煽動が必要なかったことも、農園の民間警備員からの圧力で、組合が賃上げ拒否の勧告を急いで撤回しなければならなかった事実も無視している。またFSPMに対して、重大な過失はP4Dの管轄外であり、これは使用者が刑事裁判所に訴えなければならない事柄であるという初期の声明をも無視している。P4Dは、ダウドのIUFとの係わりは重大な過失の更なる証拠だという使用者の言い分を認めた。いつものように、解雇に盲判を押しただけだ。

使用者の求めによる労働者解雇のP4Dの決定が、上告でくつがえされたことはない。

労働者は、彼らのローカルを再編成することで、また職場での経営の圧力に抵抗することでのみ闘っているのではない。8月1日に、砂糖労働者の大代表団がバスで16時間かけてジャカルタに向かった。IUF加盟のホテルレストラン観光労連FSPMの組合員が加わり、彼らはグヌン・マドゥの本社でデモを行い、そこでダウドの職場復帰と組合つぶしの終了の要求を強調するためにキャンプを張った。デモはジャカルタ知事事務所からジャカルタ議会事務所の通りまで行われ、インドネシアの主な新聞や報道機関の注目を集めている。

IUFはインドネシア政府に対する苦情をILO結社の自由委員会に申し立てたが、このプロセスには時間がかかる。米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドのIUF組合員はインドネシア大使館や外交代表部に8月2日に代表を送りジャカルタの行動の支援と、組合つぶし終了を要求し、連帯を表明した。

インドネシア政府は組合や権利に関する提唱団体がこの闘いの分かれ目で国際的に独立砂糖労組のFSPM・TGを支援していることを知るべきである。インドネシア政府の以下の行動を取るように声を上げよう。

� ダウド・スカムトをグヌン・マドゥ・プランテーションの職場に復帰させる!
� FSPM・TGに対するすべてのいやがらせを止める
� 全てのインドネシアの労働者が、自分たちの選択する組合に加盟し、脅かされずに団体交渉を行う民主的な権利を尊重する


抗議文の例


宛先:Mr. Fahmi Idris, Minister of Manpower and Transmigration (人材・移住相)
Fax: +62 21 7974488

写しの宛先:
The Minister of State-Owned Companies (国営企業相)
Fax: +62 21 34831778

Mr. Jimmy Mahsun, General Manager, Gunung Madu Plantation
(グヌン・マドゥ・プランテーション総支配人)
農園事務所 fax: +62 725 561800
本社 fax: +62 21 3142159

拝啓

南部スマトラ、中央ランパンの民間企業のグヌン・マドゥ・砂糖プランテーションと国営企業PTPN XとPTPN XIの従業員の労働組合代表が今年2月に独立労連、FSPM・TGを全ての法律要件を満たして結成しました。この労連の結成以来、組合員と組合役員に対していやがらせや脅かしが続いています。

FSPM・TG会長ダウド・スカムトはグヌン・マドゥの経営者からの要求で、6月21日に解雇されました。同氏はFSPM・TGの会長に選ばれてからすぐに停職になりました。この解雇の許可決定はランパンのP4Dがしましたが、今年初頭にこのようなケースで経営者が駆り立てる解雇の法律上の議論で、これが憲法違反であると判決した憲法裁判所の決定に違反しています。しかし、人材法の関連章は、まだ憲法裁判所の判決に従っての改正がなされていません。ダウド・スカムトの案件は政治的な解雇が事実上続いていることを示唆しています。ダウドは、使用者自身がP4Dへのプレゼンテーションで示唆したように、賃上げ交渉で、グヌン・マドゥ従業員の代わりに労組代表として合法的な職権を行使しようとしたかどで解雇されたのです。このような理由の解雇は、国際協定法の下でのインドネシアの義務をはなはだしく侵害するものです。

PTPN Xのローカル労組は常に経営者にいやがらせを受けてきました。経営者の圧力で、職場労組の代表はFSPM・TGを辞め、そのために労働者はローカル労組の再編を行わざるをえなくなり、FSPM・TGの支援を再確認しました。今これが進行中です。PTPN Xの経営者はFSPM・TG書記長のレジミンを小精製工場からスラバヤの本社に移動させ、これは広く従業員からは反組合の脅かしのパターンのひとつと見られています。

こういった権利侵害を止め、砂糖産業の労使関係が国際基準ならびに民主規範の尊重という新しい基盤の上に確立されるために必要なあらゆる行動を迅速に取るよう貴政府に要請いたします。我々は、この分野の進展の基準は、ダウド・スカムトのグヌン・マドゥの職場復帰とFSPM・TG組合員と選出役員に対するあらゆる形態のいやがらせと脅かしの中止であると考えます。

敬具
あなたの抗議文の写しをIUF([email protected])とIUFインドネシア事務所( [email protected])に送ってください。

貴方の連帯と支援に感謝します。