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Uniting Food, Farm and Hotel Workers World-Wide


IUFグローバル砂糖会議

Posted to the IUF website 15-Jun-2004





スピーカーと来賓に加え38労組から110名以上の参加者が、フランクフルトに近いOberjosbachの労働組合センターBZOに5月19日から21日までIUFグローバル砂糖会議のために集まった。本会議では11ヶ国語で、砂糖産業の基本的な側面、市場と政策の問題、そして最も重要なことは、砂糖が生産されるところでの社会的な条件が検討され、砂糖産業を長期に持続可能にするためには何が必要か、また労働組合の役割とは何かにつき、労働組合の代表、政府役人、砂糖団体、企業の代表の発表を聞き、これを討議した。

開会挨拶で、NGGの会長フランツ・ヨゼフ・ミューレンバルグは、「組合は砂糖産業の長期的な持続可能性について懸念している。グローバル化および自由化という状況において、社会的・環境的な配慮がこの発展を指導することを必要とする」と述べた。労働者にとって公正な労働条件および環境保護は、労働組合の観点に組み込まれている。これが討議の論調を定めた。

欧州連合内の発展、これが世界のいくつかの砂糖産業界に与える影響、国際貿易討議に与える影響を考え合わせ、会議では現状とEU砂糖体制の改革の全体像、転じて、アフリカ、カリブ海、太平洋(ACP)諸国および後発発展途上国(LDCs)に可能な特恵市場の将来について討議した。この討議の焦点は、EU農業コミッショナー、フランツ・フィシュラーによるプレゼンテーションであった。彼は、EUの砂糖管理体制の改革の必要性を説いたが、改革計画についての明確な概要については明らかにしなかった。この計画については、おそらく7月には正式にされるだろう。しかし、フィシュラーは、欧州の砂糖業界の競争がもっと激しくなるはずで、この過程で雇用が失われるだろうと述べた。ドイツの消費者保護・食糧・農業相、レネーテ・キュナストは、欧州連合の砂糖管理体制を改革することは、簡単な仕事ではないこと、改革の提案には労働者の利害、開発途上国の懸念が考慮されるべきであると述べた。

会議で重要だったのは、組合の代議員のプレゼンテーションと共に国際砂糖産業における組合活動に関連する7つの国別、地域別の状況が見直された事であった。最初は、世界最大のブラジルの砂糖とアルコールの複合物における低価格に関してであった。ブラジルの代議員は、低価格と労働者の権利制限の間の重要な関係、労働力に取って代わる技術の影響、環境への打撃について明らかにした。社会コストおよび環境コストが不明確で、経済面を考慮することに味方しているため、低価格は効率の高い生産を表すということが一般的に容認されているが、このプレゼンテーションは、この容認に疑問を投げかけたものであった。

カリブ海諸国の女性砂糖労働者のプレゼンテーションは、低賃金(彼女らが完了できない作業)や男性が圧倒的に多い部門でのセクシャル・ハラスメントをはじめとする彼女らが経験した不利な立場を説明したものであった。またカリブ海諸国からは、ガイアナでいかに組合が産業復興およびその後の発展を支持したかという経験が披露された。ガイアナは過去10年間に生産高が3倍以上になっている。

ドイツ再統一後に東ドイツの再構築された砂糖部門では、生産の集約化と西ドイツの会社の拡張があった事が報告された。一方、欧州砂糖部門企業の社会的責任のプレゼンテーションでは、パートナー(経営者と従業員)が共同で働くために、組合が長年にわたり広範囲に努力してきた事が言及された。東欧の状況は、ウクライナの砂糖産業に関するプレゼンテーションで紹介された。ウクライナは一度は世界最大の甜菜糖産業を誇っていたが、現在では価格や海外貿易といった政策問題の解決、産業の復興ができないために深刻な問題に直面している。砂糖部門の雇用は劇的に減少し、労働者の賃金が下がり、労働条件は悪化した。

インドの砂糖部門のプレゼンテーションで組織化の難しさと課題が討議された。ここでは経済環境が厳しく、政治的な影響力とともに労働者の組織化の深刻な障害となっている。特に農業労働者、移民労働者の組織化が難しい。

会議の他の重要な点は、砂糖部門における将来の活動に関する代議員からの勧告であった。これは、この部門がIUFの重要課題として続けられるべきであるというものである。結語で、代議員は、組合の力の強さは組織化と職場の労働者の代表に依存しているということ、そして砂糖部門では特に農場労働者、季節労働者、移民労働者というより搾取されやすいグループに対して注意が与えられるべきであるということを再確認した。代議員は、女性が一番打撃を受けるグループであるので、ジェンダーの視点からリストラに対処する組合の能力構築の支援をIUFが行うことを勧告した。関連決議は、加盟組合が、国際・地域・小地域貿易協定に関して活動を行う時、IUFがこれを支持する。ここでの重要な要素は、ILOの中核となる労働基準の遵守を協定に組み込むことである。[中核的労働基準とは8つのILO条約で、労働における人間の基本的な権利であり、個別のILO加盟国の発展段階にかかわらず、彼らは結社の自由を持ち(組織化と団体交渉権)、強制労働に反対し、均等で(労働における差別はなく、同一賃金)、児童労働に反対するものである。]また、代議員は、会社全体の労働基準の実施のために多国籍企業と交渉を行うことを勧告した。一方で、本会議は加盟組合に対し、産業のリストラに関する情報を文書化し、分かち合うこと、貿易交渉に関する活動能力を発展させること、中核となる労働基準と農業の安全衛生にかかわるILO条約184号の批准と実施に向けてのキャンペーン活動を行うことを要請した。

アフリカ、アジア太平洋、英語圏のカリブ海諸国、独立国家共同体−モスクワ、中南米、農業労働者部会、グローバル砂糖コーディネーションの作業部会が同会議の後に開催された。この作業部会では今後本部門の活動にどのように会議の勧告を統合させていくか、グローバルな活動と地域のプログラムの間の調整をどのように向上させるかという実践的な方法が討議された。

本会議にIUFドイツ加盟組合NGGからたくさんの支援があった。ふたつのホームページが本会議の文書、写真を掲載している。http://www.bzo.de (6ヶ国語で基礎情報文書が掲載)とhttp://www.ngg.net/である。