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Uniting Food, Farm and Hotel Workers World-Wide


ロシア・ネスレの組合指導者、安全衛生違反に焦点をあてたことで解雇

Posted to the IUF website 26-Mar-2004





アナトリィ・シュルガは、ロシア、チマシェヴスクのネスレ工場の電子フォークリフト運転手である。彼はまた工場の安全衛生委員会の委員長であり、工場労組の議長も務める。労組指導者および安全衛生代表として、安全衛生問題を含む労働条件の向上のために闘ってきたが、2月に職場の事故の後で突然解雇された。

2002年、アナトリィが、危険であると経営側に警告したにもかかかわらず、300キロの重量のコーヒーの箱を荷積み夫の援助なしに割り当てられた。板が積荷を動かそうとした時、アナトリィは指を怪我した。このため彼は賠償を受け、この仕事には荷積み夫の援助が割り当てられた。

労組は経営側に対して、電池交換用の認証を受けた専門の荷積み機械の代わりに間に合わせの引っ掛け装置を使用することから生じる危険を繰り返し警告してきた。会社の安全衛生のエンジニアと動力エンジニアリング専門のチーフもこの危険な状況を訂正するように経営側に要請した。経営側は専門機械は高すぎると言う立場を変えず、間に合わせ装置のテストに組合代表が参加することを許さなかった。

2004年2月1日、アナトリィがこの装置を積んだ電気積み上げ機を操作していた時、この装置を電池に引っ掛けようとした電池担当が指を怪我した。シュルガは、通常電子フォークリフトの運転をするが、この時電気積み上げ機を使用して電池を交換するよう命じられていた。シュルガも怪我をした電池担当も電気積み上げ機の使用に関して訓練を受けていなかった。また、この手続きの操作説明書もなかった。

電池担当は、防御手袋を着用しておらず、また十分な休憩なしに続いた12時間交代勤務の最後の時間帯であった。彼はこの事故をアナトリィにではなく、欠陥のある装置と適切な安全手続きの実施を怠った経営側に責任があるとした。チマシェヴスク工場の経営者は、犠牲者を非難することを選び、長期勤続者であるシュルガは、解雇された。

アナトリィ・シュルガの解雇は多くの理由から非合法である。選出された組合指導者として、組合の合意があって初めて同氏を解雇できる。また、交渉委員会の委員として、同氏を解雇することは不可能である。現在労働協約を更新するための団体交渉が進行中である。交渉における主要な争点のひとつは安全衛生問題の組合参加の実施である。

シュルガは、小さな事故のために解雇されたのではなく、組合指導者として、また安全委員会委員として、労働者の怪我を生じさせる安全衛生条件を含む労働条件向上のために闘ったために解雇されたのである。

労働検査官が3月23日事故の調査を行うため、また工場の労働条件およびに安全衛生事項について検査するために工場を訪れる予定である。

ネスレの企業ビジネス原則は、『従業員一人一人に安全で衛生的な労働環境を提供する』と謳っているが、グローバル安全衛生に関する記録の使用可能な統計も出していないし、この『コミットメント』の実施に関して透明性を持った手続きも独立した検証手段も持っていない。

他の地域の、特に開発途上国でネスレ従業員を代表している組合は、ネスレが職場の安全衛生に関する従業員の権利尊重のための一貫した政策を持っていないということを報告している。

IUFとその加盟組合は、世界のネスレ労働者の職場の安全衛生条件を含む適正な労働環境を達成することにコミットしている。1999年12月、世界のIUFネスレ労組は、フィリピン,マニラに集い、以下を再確認するネスレ従業員グローバル権利声明を採択した。

全ネスレ従業員は、国際的なベスト・プラクティスに基づいた安全で衛生的な労働環境を有する権利を持つ

全ネスレ従業員の安全衛生の向上は、2004年4月22−23日にドイツ、オバージョスバッハで開催予定のIUFネスレ労組グローバル会議の議題のひとつである。

IUFモスクワ事務所は、地元のネスレ労組のシュルガ氏職場復帰要請を支持している。IUF本部書記局は、ネスレのヴヴェー本社に同氏の復職の支援および工場の安全上の問題を訂正するよう連絡を取った。もし、ネスレの回答が満足のいくものでなければ、このケースで連帯支援を近々に要請する。