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Uniting Food, Farm and Hotel Workers World-Wide


環境団体と労働組合は、EUのパラコート承認に対し異議申し立てを提訴

Posted to the IUF website 05-Mar-2004





国際労働組合と環境NGOの連盟*が欧州裁判所に対して、きわめて有害な除草剤パラコートを欧州連合全域に承認する昨年12月の欧州委員会の決定に対し、初めての訴訟を起こした。

同委員会の決定は、人体および環境に対するパラコートの有害性に関して既に存在する化学的証拠を無視するものであり、そして、この承認が人権保護と基本的自由に関する欧州条約、欧州連合協定(特に予防原則)そして第2のEU法律を侵害するというのが同連盟の論争点である。

農業労組と環境団体は何年にも渡って年間何万にものぼる農薬関連死亡のかなりの件数の原因となるパラコートの使用禁止を訴えてキャンペーンを行ってきた。いったん、皮膚や肺から吸収されたり、経口摂取されると、その効果は不可逆性である。パラコート毒の解毒薬というものは知られていない。パラコートとパーキンソン病が関連する可能性が報告されている。農業労働者はパラコートを取り扱い、混ぜ、噴霧し、また噴霧されたばかりの畑で働くことで常にこの毒物に晒されている。

パラコートは耐性が高く、繰り返しの使用により土壌に残留し蓄積される。長期汚染と野生生物に対する容認できないリスクは科学文献に表されている。

訴訟は、これら全てのことが委員会によって無視されていると訴えるものである。パラコートを承認する委員会の決定は、製造業者Syngentaの前代未聞のロビー活動と主要なEU加盟国の農薬ロビー活動の結果である。この決定は、環境、公衆衛生、労働組合(組合員がこの危険の前面に立っている)などの団体からの反対ばかりでなく、パラコートが既に禁止されているEU加盟国(オーストリア、デンマーク、フィンランド、スゥエーデン)からの反対にもかかわらず、採択されたものである。

スゥエーデン政府は独自で、この承認決定に対し欧州司法裁判所に異議申し立てを行った。

『環境と人体の健康を守るためにパラコートは禁止されなければならない。』と、欧州環境局の書記長ジョン・ホンテレスは語る。『欧州委員会は公に入手可能なパラコートに関る有毒性の科学的証拠を無視し、非公開の加盟国委員会でこの決定を押し通した。これはEUにおいてどのように農薬が承認されるかということで公共の信頼を失わせるだけである。このためこの訴訟が必要だ。』

『パラコートは、農業において社会的にも、環境的にも持続可能なものではない。とIUF書記長ロン・オズワルドは語る。『EUの承認は、欧州の農業労組に大きなリスクとなるだけでなく、労組が禁止を勝ち取った国の市場に無理に入るこむことになる。開発途上国では人体と環境に呈する危険が知られているにもかかわらず、この使用が奨励される。EUはこの部門における決定に世界的な責任を負わなければならない。』

EUパラコート承認の世界的な影響で、この決定に従う速度が落ちていない。Syngentaは、即座にマレーシアのパラコードの段階的禁止を逆転させるためのPR活動、ロビー活動にEUの決定を利用しだした。パラコートのロビー活動はまた、パラコート使用が強く批判されるようになった中央アメリカでも盛んに行われている。

*連盟は国際食品労連(IUF)、IUFの欧州地域組織EFFAT-IUF、欧州環境局(EEB)、欧州農薬アクションネットワーク(PAN)、オランダ自然環境団体、スゥエーデン自然保護団体(SSNC)で構成される。