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Uniting Food, Farm and Hotel Workers World-Wide


IUFが地中海クラブと職場における基本権に関する国際協定に調印

Posted to the IUF website 11-Feb-2004





2004年2月4日、IUFと地中海クラブは欧州とアフリカの地中海クラブの事業所全体の労働者の基本的権利を保証する協定に調印した。本協定は、世界の地中海クラブ施設の全従業員の75%に適用され、結社権、組合加入権利、自由な団体交渉の権利、差別禁止および地中海クラブの男性・女性従業員の均等処遇等を保証するものである。本協定はまた、これが適用される地中海クラブ施設を従業員が移動するに際し、受け入れ施設における全ての権利および雇用条件の全面的な尊重を保証するものである。IUFは、本協定の範囲を世界の残りの地中海クラブに広げることを同社と共に検討していく予定である。IUFは既に同社からこういったアプローチを敵対視しないという書面での確約を得ている。

IUF欧州地域組織であるEFFATは、この交渉を通じて地中海クラブの欧州社会対話委員会を代表しており、かつ本協定の共同署名者となった。

以下は協定の日本語訳である。

欧州およびアフリカの地中海クラブ従業員(GEサービススタッフ)の職場における基本的権利と移動に関する協定

当事者甲
� 地中海クラブ会社(本社住所省略) 代表者は、人事部長Olivier Sastre

当事者乙
� 国際食品農業ホテルレストランケータリングタバコ関連労連 これ以降IUFと称す。 (本部住所省略) 代表者は、書記長ロン・オズワルド 
および
� 欧州食品農業観光労連 これ以降EFFATと称す。(書記局住所省略) 代表者は、書記長ハラルド・ヴィデンホッファー

序文
� 国際食品農業ホテル・レストラン・ケータリング・タバコ関連労連(IUF)は、世界126カ国の1千万労働者を代表する組織である。欧州食品農業観光労連(EFFAT)は、IUFの欧州地域組織である。

� 80年代以来、フランスの労働組合はモロッコおよびチュニジアの特定地中海クラブからの従業員に関する社会条件および移動について討議をしてきた。

� 1988年、地中海クラブ企業経営者が、IUFの加盟組合と国際労働機関(ILO)の事務所で同クラブの世界の人事政策の見解を交換するために会合を持った。

� 1996年、欧州社会対話委員会(ESDC)が地中海クラブ企業経営者とEFFAT(当時はECF-IUFとして知られていた)および該当諸国労働組合組織の間で設置された。この従業員情報協議機構の範囲は欧州連合加盟国を含むものである。

� 両当事者はホテル・レストラン・観光部門は有資格労働力の恒常的な不足、益々困難になる世界の労働者の移動管理に特徴付けられるという事に注目する。

� 両当事者は、必要な経験と資格を持つ地中海クラブサービス(GE)職員が、これが組織のニーズを満たし、かつ該当従業員の希望にかない、かつこのような措置が受け入れ国の従業員の雇用、労働条件、賃金水準、他の社会条件を危うくしない限り、彼らの出身国以外のクラブ施設で雇用を得ることを可能にする解決策の開発の必要性を認識する。

� 本協定の規定は、どんな場合も地中海クラブの事業所に適用される規定に取って換えられるものではない。本協定の存在が、法律、規定、労働協約あるいは現地慣習から生ずる権利をいささかも制限できるものではない。争議の際は、項目4.1.の下に設置される協定適用委員会が他の既得権を侵さずに裁定を下すように要請されうる。

� 両当事者は、この協定を通じて、欧州連合域外の地中海クラブGEサービス季節従業員の国際的な移動を容易にしたいという共通の希望を表明した。

I 範囲

本協定の規定は、欧州連合加盟国の所在する地中海クラブの事業所および地中海クラブが事業所を持つ以下の欧州・アフリカ圏諸国に適用する。これらはクロアチア、エジプト、象牙海岸、モロッコ、セネガル、スイス、チュニジア、トルコである。

両当事者は、以下に合意する。

II 職場における基本的権利の尊重

III 欧州・アフリカ圏諸国の地中海クラブ従業員の欧州連合加盟国への移動

IV 本協定と一般条件の適用

II 職場に置ける基本的権利の尊重

国際労働機関(ILO)条約に規定される原則を確立し、この協定の範囲内の各国の地中海クラブは以下に合意するものとする。

� それぞれの国で適用される法令に従い、労働者の結社権あるいは労働者が選択する労組に加入する権利を尊重する。

� 反組合のための会合、反組合を謳ったパンフレット、言葉によるコミュニケーションをはじめとする労働組合加入を阻止するよう意図された手段に訴えない。

� それぞれの国の適用する法律に従い、選出されたあるいは任命された労働組合代表および労働組合員は、雇用、給与、労働条件、職業訓練へのアクセス、キャリア開発において労働組合員であるという理由または労働組合活動を理由にした差別は、いささかも被らない。

� それぞれの国において法律を遵守し、団体交渉を行うことを可能にするために同クラブの一般事業に関して、そしてもし必要であれば、当該施設の事業に関して適用の国内法律で規定する情報を該当労働組合に連絡する。

� 適用される法律、労働協約、国内慣行、現地慣行が規定するように労働組合代表とクラブ従業員の間の連絡を許す。

� 政治的見解を表明する個人に対し強制あるいは制裁の手段として、また経済目的の労働力使用の手段として、また労働懲戒の手段として、またストライキ行動への罰則として、また人種、出身社会あるいは出生国、宗教的信条を楯にした差別としてのあらゆる形態の強制または義務労働は寛容するものではない。
強制または義務労働という言葉は、制裁の脅かしにより個人が引き受けた仕事あるいはサービスを意味する。

� 効果的な児童労働廃絶を尊重するために、現地の法令に拘らず就労最低年齢は15歳、若年者の健康、安全、モラルを害するおそれのある仕事の場合はこれを18歳とする。

� 雇用における機会と処遇均等の原則を尊重するために、人種、民族、性別、宗教、政治的見解を基にしたいかなる差別、区別、除外あるいはえこひいきを慎む。

� 適合した手段を通じて、男女従業員間の同一労働同一賃金の原則が全ての従業員に適用されることを確実にする。

困難な事態あるいは争議が生じた際には、当該の従業員は、項目4.1.の下に設置された本協定適用委員会に案件を委託することができる。

欧州・アフリカ圏諸国からの地中海クラブ従業員(GEサービス職員)の従業員移動について

III.1 一般規定

III.1.1.本協定を通じて、両当事者はともに、季節労働者と定義され、欧州連合以外の欧州・アフリカ諸国から来る地中海クラブ従業員(サービス従業員―GE)の国際的な移動を任意に奨励する希望を表明する。これは彼らが欧州連合内の地中海クラブリゾートに来て働くことを可能にする(季節労働者として)。このような移動は、必要とされる労働力を現地で雇用することができない時に奨励される。

III.1.2.給与、労働時間、労働条件に関し、このような従業員に適用する雇用条件は、該当事業所で働く従業員に適用されるものを案分したものであり、これより低いものであってはならない。このような規定はまた宿泊と食事にもあてはまる。GE従業員は、必要であれば休暇村の労働者代表に連絡を取ることが許される。

III. 1.3.常用のサービス(GE)従業員が出身国から欧州連合加盟国に来て働く場合は、該当休暇村の従業員の通常雇用条件の下で該当季節間だけ出向という形で行う。

III. 1.4.GE従業員は最低15日間の通告期間を持って、契約提案あるいは出向が言い渡される。

III. 1.5.従業員を送る側の休暇村の従業員代表は、欧州連合加盟国に来て働くことを求めらるGE従業員の移動条件と選択基準を通告される。

III. 2 トルコイニシアチブ規定 (特別な例の規定であるため翻訳省略)

III. 3 関連措置 (上記と同様なので翻訳省略)

IV 本協定の適用と一般条件

IV.1 本協定の実施委員会が設置される。本委員会は、EFFATとIUFから2名の代表(社会対話の欧州委員会のEFFAT代表を含む)と地中海クラブの経営側代表2名で構成される。

本委員会は、社会対話の欧州委員会会議と関連して、1年に1回、地中海クラブにおける経済的・社会的発展および合同従業員移動管理計画構想を話しあうために会合を開く。

本委員会は、本協定の実施の見直しと可能な向上について話しあう。本委員会は、また地中海クラブの経営側からの要求によって開催される。欧州社会対話委員会委員から要求があった場合は、地中海クラブ経営者の合意によって開催される。

IV.2 いかなる場合も、経営者は、会議の適正な開催に必要な措置を取る。これには会議に参加する代表に掛かる経費も含まれる。

IV.3 本協定の期限は3年とし、この期限後、本協定は終了する。両当事者ともに3ヶ月間の通告期間をもって本協定の取り消しを行うことができる。

3年間の協定期限が終了する3ヶ月前に、両当事者は、本協定の適用を見直し、また更新について合意するための会合を持つ。

本協定フランス語版を参照文献とする。