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Uniting Food, Farm and Hotel Workers World-Wide


パルマラット労働者速報 3号 2004年2月

Posted to the IUF website 06-Feb-2004





通常、企業別の速報は、IUF組合員専用のウェブサイトに掲載されるが、現在のパルマラット危機の実体から、この号は一般用ウェヴサイトに掲載する。

パルマラット労働者速報

3号 2004年2月

財政状況

1月26日、特別委員ボンディにパルマラット会計の再監査を委任された会計事務所、プライスウォーターハウス・クーパーズは、パルマラットの2002年および2003年第3四半期の売り上げと収入の上乗せ申告の程度を示す仮報告書を発表した。11月半ばに第3四半期の数字が発表されたすぐ後に、パルマラットのトランプで作った財政の家は崩れ始めたことが思い出される。この時パルマラットの当時の監査人であったDeloitte&Touchが同社の流動資産保有に新しい疑惑をいだいた。これ以前にDeloitte&Touchは、2003年10月31日付の株主報告書のパルマラットの半年分の会計に疑念を表明していた。その時会社の帳簿は60億ユーロの負債が海外資産42億ユーロで相殺されることを示していた。現金準備が極僅かで無視してよいと判断されたとして、今では簿外負債および報告されていない負債によって増加しているが、総負債および正味負債は、ほとんど同額である。

ボンディは、即座に、営業を続けるために1億5千万ユーロを銀行から融資の形で借り出した。同氏は目標は営業利益を7−8%に上げることであり、これにより負債の山が割合からは少なく見えるようになるはずとしている。同氏が銀行に請け負ったことは、この目標達成のための首切りや資産の売却を含む深刻なリストラが起こること意味する。

1月28日、パルマラットのブラジル子会社はサンパウロ裁判所に倒産保護を申請した。この動きは、会社の自己防衛と説明されるが、多くの銀行やサプライヤーが負債を取り戻そうと法律手続きを取った後に起こったものである。これより以前に、債権銀行はパルマラットブラジルが資産売却をできないように裁判所の差し止め命令を得ていた。この申請に対する決定は未定である。

ラテンアメリカの危機

メキシコ、ベネズエラ、コロンビア、アルゼンチン、ウルグアイの会社代表からの公の発表によると事業はスムーズに行われているということであるが、チリはこの例に当たらない。ここでは160の酪農業者が12月の牛乳代金の支払いを受けていない。このパルマラットの納入業者は、彼らの協会を通じて会社に支払い延期の認可を与えているが、彼らの条件が合わないので、競合他社であるネスレやSoprole(ニュージーランド本拠のFonterraの子会社)に納入を変更する準備をしている。現地の投資会社、Inversiones Behiaはチリ・パルマラットの買収に関心を持っているが、これはパルマラットがマーケット・シェアを失わない場合に限る。もしサプライヤーが、他社に牛乳を売るのであれば、マーケット・シェアは確実に落ちる。パルマラットは1994年以来チリで事業を行ってきたが、ここでの事業方針は少数の常用労働者を維持し、これを恒常的に変わる契約労働者のストックで補うという形で、これにより組合組織化の試みをうまく阻んできた。

ブラジルでは、親会社が直面する財政危機の副産物が、グローバル化のためにより有害な影響を生んでいる事に焦点が当たった。1月27日にIUF地域書記ヘラルド・イグレシアスのインタビューに答えて、ブラジル金属労組のABC Paulistaのアドバイザー、オダ・ニルソン・タダシ氏は、パルマラットのスキャンダルについてこう述べている。『マクロ経済の観点から言えば面白い状況である、というのは、このグローバル化された世界で資本主義が定義するように益々国境がなくなっていることが、に労働者、生産者、消費者が関わる深刻な経済・社会問題を生じていることを示しているからである。すなわち多国籍企業が確立された地域の社会全体としての問題になる。パルマラット本社の倒産は、ブラジルに影響を与えた。ブラジルでも子会社は同様に倒産を宣言したが、ブラジルの人々に属さない資産に関与しているという点で違いがある。』

ブラジルは、多国籍企業投資の主要な受益国であり、乳業部門では、小規模農家、協同組合、関連サービス提供業者が一握りの企業への経済依存度が高くなった。パルマラットの財政危機およびブラジルの子会社がサプライヤーへ支払い不能となったことにより、1万5千名の小規模酪農家とその家族の生活の糧、さらに地域全体までをも危機にさらした。ネスレのCEO、ピーター・ブラベックは彼独特の傲慢さで、ブラジル第一の牛乳加工業者である同社が、『牛を懸念するために』パルマラットへ行くはずだった牛乳の配達を受けることで援助の用意があると発言した。

パルマラットのブラジル子会社が債権者からの保護を求め、また小農に対する倒産の影響に関する政治的圧力が高まる中、ブラジルのIUF加盟組合は積極的に解決策を求めて活動をしている。2000年に始まったリストラ、そして2000名の雇用喪失、12工場の閉鎖を経験した後で、今同社は8工場に5200名の従業員がいる。これらの従業員はナショナルセンターCUTに加盟する食品労組連合(CONTAC)に加盟する組合およびナショナルセンターForca Sindicalに加盟する食品連合(CNTA)に加盟する組合が組織化している。CUT加盟の農業労組連合(CONTAG)の組合員には小規模酪農家も入っている。組合代表は、小規模農家援助基金設立の提案を進めるため、またパルマラットを倒産から救済するための政府介入を話し合うために政府代表と会合を開いてきた。これは、会社が債権者からの保護を申請する手段を取る前の好ましいオプションであった。今組合によって支援される決定は、共通の目標(すなわち会社を救済し、雇用を守り同社の労働者と依存農家の生活の糧を守ろうということ)があるという理解に基づいている。

高級会議
エミリア・ロマーニャの地方政府の代表が、教育制度交流の一環でブラジルを公式訪問していたが、この機会を利用して、パルマラットのブラジル工場の雇用と生産性を守るために可能なジョイントアクションを話し合うために政府と組合代表に会った。マリアンジェラ・バスティコ地方議会議員は、イタリアと同様、ブラジルでも会社がばらばらにされ細切れに売却されるのではないかとという心配がとても強いとコメントした。組合代表およびブラジルの連帯経済相ポール・シンガーの両方から出された小さな生産者協同組合の結成を中心にすえた解決策が討議された。バスティコ地方議会議員は、協同組合経済制度に関して強い伝統を持つ地域であるエミリア・ローマニャで引き続き会議を開くことを提案した。

2月3日に、特別委員エンリコ・ボンディとパルマラット危機の検討のために設置されたブラジル議会委員会のメンバーがミラノで会合を開いた。CONTAC会長シドレイ・デ・オリヴェイラが農業開発相ミュゲル・ロセットに招かれ、イタリアへの政府派遣団に随行し、会議にも参加した。彼はこの会議を不満足なものと評している。とういのは求めた解決策が浮上しなかったためだが、パルマラット・ブラジルに関してイタリア政府の提案する措置が明らかになったことは有益であったとみている。シドレイはまたパルマの組合の仲間とも会った。

FLAI-CGIL,FAI-CISL,UILA-UILの3労組の書記長が2月13日に欧州農業コミッショナーのフランツ・フィシュラーとパルマラット危機およびこれが欧州乳業部門、生産、雇用に与える影響に関して話しあうために会合を持つ。