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Uniting Food, Farm and Hotel Workers World-Wide


農薬メーカーSyngenta、マレーシアにパラコート禁止解除の圧力をかける

Posted to the IUF website 12-Dec-2003





10月3日、欧州連合は、食物連鎖と動物保健に関するEU常設委員会が、91/414農薬市場免許指令のポジティブ・リストにパラコートを加えることに賛成投票した時、急性毒性除草剤、パラコートのより大規模なグローバルな使用を緩和した。IUF、環境団体、またパラコートの使用禁止あるいは厳しい制限を課しているEU加盟国は、この非常に毒性の高い物質のより広範囲な使用の承認に反対したが、産業界からの圧力とフランス政府の土壇場でのポジションの変更(アンティル諸島の農業のロビー活動の圧力の下で)のために賛成多数になった。オーストリア、デンマーク、フィンランド、ルクセンブルグ、スゥエーデンは反対票を投じた。

EU当局に投票の前に送った我々の書簡の中で、IUFは、パラコートをポジティブ・リストに加えることは、この有毒な物質のより大規模な使用を奨励し、現在禁止しているEU諸国また他の諸国の市場にこれを強制することになる、と書いた。また、開発途上国では、これが人類と環境への危険を呈していると認識され、またマレーシアや他の国でこの使用を制限、廃止しようとする努力がされているにもかかわらず、この使用がもっと奨励されるだろう、と書いた。実際に今まさにこれが起こっている。

スイスに本社を持つ化学多国籍企業、Syngentaは、パラコートを製造し、Gramoxoneというブランド名で販売しているが、同社はEUの決定の直後に、記者会見を開き、マレーシア政府に対して、この製品の禁止と段階的削減を取り外すように要請した。マレーシアの規制当局に圧力を加えるために、Syngentaは、マレーシアの新聞に全面広告を掲載し、EUの承認を証拠として、この製品の安全性を訴えた。同社は、EUの承認の表向きの基礎となったパラコートの安全性に関する研究の結果が一般に公表されていないことについては、沈黙している。マレーシア労働組合会議は、政府に対し禁止を続けるように要請しているが、Syngentaの資金は相当なものであり、またロビー活動の経験は豊富であり、その資金も十分ある。この有毒な除草剤を禁止しようとしているニカラグアや他の国でも同社はすでに活動を開始しているだろうと想像できる。

パラコートはWHOが確認した農薬による世界の何万件もの年間死亡のうち相当な件数の原因となっている。パラコートは人畜に対する毒性が非常に強い。いったん、皮膚や肺から吸収されたり、また経口摂取されると、その効果は不可逆性である。パラコートの毒の解毒薬というものは知られていない。農業労働者はこれを取り扱い、混ぜ、噴霧し、また噴霧されたばかりの畑で働く際に常にこの毒物に晒されている。

パラコートのために労働者が死亡している。パラコート使用の代替物も実証されている。このためにIUFは、他の環境・食品安全性に関する団体と共に闘いの準備をしている。我々は、欧州連合とその農薬ロビーによる恥ずべき決定のグルーバルな影響を制限しようと、またこれを逆方向に戻すためにEUおよび世界的な機構の効果的な使用に関しあらゆる可能性を探っている。